ー日常ー街の住人達【5】

ー常春の国:エメラダー

ミハイルはもともと小太りですが、今は大太りです。

ミハイル「ガッガッ、バクッバクッムシャムシャ、おかわりー!」

山のように積み上がった食器の間から茶碗をつきだしてくる肉団子もといミハイル。

ムーン1「もうご飯がありませーん!」

部下のムーンが空っぽになった電子ジャーを持ってきて中を見せる。

ミハイル「なかったら炊きなおせ!」

チコ「もう5回も炊きなおしたんですよ!」

ムーン2「五合炊きだから合わせて3升か」

ムーン3「一升飯という言葉はあるが三升飯とは」

ムーン1「殿下、いくらなんでも食べ過ぎですよ。」

ミハイル「おなかがすくんだからしかたがない」

ムーンのひとりがデジカメを取りだすと2.3回シャッターを押して、それを見せた。

ムーン1「ご自分の姿を冷静に見つめてください。」

ミハイル「じーー……ポッ///」

ムーン1「おいっこらっ!わけのわからん反応をするんじゃない!この腐れ外道が!」

ミハイル「くされ外道とは誰のことだ」

どっから取り出したのかドデカい斧を振り上げて質問する。

ムーン1「すいません。つい陰でいい慣れてるものですから。」

ミハイル「そんなこと言い慣れるなとにかくだ。ぼくは成長期なのだから健康的に太るのはかまわないのだ。無問題なのだ。ノープロブレムなのだ。」

むふんっと踏ん反り返る肉塊(ミハイル)。

チコ「どのへんが健康的なのか分かりませんが」

ミハイル「とはいうものの」

ムーン1「とはいうものの?」

動く肉団子(ミハイル)は自分の腋を指さしていった。

ミハイル「成長痛なのか、最近わきの下や股が痛くて」

ムーン2「急激に太ったからきっと腋ずれや股ずれを起こしてるんだ。」

ムーン3「まったく」

ムーン1「見てみましょう、服を脱いでください」

ミハイル「いやだ」

ムーン1「いやだ?」

チコ「ああ、私なら出てますよ。気持ち悪いんで」

そういって、そそくさとその場から退散する。

ムーン2「これでいいですね」

ミハイル「チコだけのことじゃない、お前たちの事だぼくの耽美なヌードを見たら興奮するに違いない。」

ムーン1「ははは、いやだなぁ。トンビのヌードなんか見ても興奮しませんよ」

ミハイル「ヌードのトンビなんてものが存在するか」
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