ー日常ー街の住人達

ー桜花フラワーショップー

鈴猫「よいしょっと……ふぅ、暑い」

崇「精が出てるな」

鈴猫「あっ、崇。いらっしゃい。」

崇「ただのひやかしだ。接客態度でなくていい」

鈴猫「ハッキリとひやかしって言われるのは複雑な気分だわ」

崇「花を買っても仕方ないだろ」

鈴猫「部屋に飾るとかあるでしょ?」

崇「?」

鈴猫「小首を傾げられたら私の方が困るんだけど」

崇「冗談だ。だが、昔サボテンを枯らした事があるから俺は植物とは相性が悪い。」

鈴猫「それは……なかなかね」

崇「植物を育てれるのに料理が出来ないおまえもなかなかだろう」

鈴猫「ほっといて!」

崇「くくっ」

鈴猫「はぁ……っていうか、なにしてるの?」

崇「ただの散歩の途中だ」

鈴猫「ふぅん……。」

崇「どれ……ヒマしているところだし、お前の仕事ぶりでも見学していくか」

鈴猫「はい?」

崇「休憩だ。休憩」

鈴猫「いや、なんでウチで……」

崇「気にするな」

鈴猫「超気になるから!」

福太郎「すんません」

崇「客だぞ」

鈴猫「あっ……は、はい。いらっしゃいませ」

福太郎「あぁ、このメモに書かれとるもんってあります?花の肥料っぽいんやけど」

鈴猫「ええと……即効性化成肥料ですか。8-8-8でいいですか?」

福太郎「えぇ。俺はようわからんので書いとる通りので」

鈴猫「2050円です。」

福太郎「んっ、ほなこれで」

鈴猫「ありがとうございます。重いので気を着けてお持ち帰りください」

福太郎「はいはい、どうも~」

崇「……8-8-8ってなんだ?」

鈴猫「チッソ・リン酸・カリよ。肥料3要素が、8-8―8ってバランスが取れてる肥料」

崇「ふぅん。パッケージを見る限り野菜用の肥料に見えるが?」

鈴猫「野菜、草花、花木全般に使えるのわ。基本的な即効性の化成肥料だからね。元肥にも追肥にも使えるシンプルでいいもよ。」

崇「説明されてもよく分からん」

鈴猫「えーと、元肥って言うのは野菜とか花を植える前に土に混ぜとくもの。追肥って言うのは植えてからしばらくして追加であげる肥料のことよ」

崇「そうか」

鈴猫「興味ないなら聞かないでほしいんだけど……」

崇「気にするな」

鈴猫「はぁ」

崇「しかし、お前もこうして見ていると普通にできる女だな。」

鈴猫「こうして見てるとってどういう意味よ」

崇「普段からの行動を見ていると抜けているってい意味だ」

鈴猫「失礼な!」

崇「あぁ、悠。お前も散歩か?」

鈴猫「えっ?!いらっしゃ……アレ?」

崇「嘘だ」

鈴猫「こんっの……!」

崇「あぁ、悠」

鈴猫「もう騙されないっ!」

悠「なんだ崇。お前も居たのか」

鈴猫「ふぁっ///!!」

悠「な、なんだよ」

崇「くくっ、なんだろうなぁ」
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