ｰ池袋:警察署前ｰ

マリア「……」

悠「お勤めご苦労様です!」
ビシッ

マリア「なんでやねんっ!」

悠「いや、警察で丸二日も世話になったんだろ。立派なもんだぜ、ほんと」

マリア「不当逮捕!」

お熊「証拠不十分だったし赤ん坊を見つけてきたってことですぐに出してもらえてよかったじゃないの。前科もつかなかったし」

マリア「お熊さん、ありがとうございます。」

お熊「ほほほっ、いいのよ。でも、これからは気をつけるのよ。」

マリア「はい」

悠「……マリア、こちらのたくましい方は?」

マリア「あ、そういえば初対面でしたね。こちら、アラファト家政婦協会のベテラン家政婦お熊さん、そしてこちらは私の友人の小鳥遊悠さんです。」

お熊「こんにちは、あらイケメンね。ぐふふふっ」

悠「ど、どうも」

お熊「んー、あと五年もしたらとても美味し……いい感じの男性になりそうね。ほほほっ」

悠「っ……」

マリア「ボソボソ(お熊さんは女性ですから、発言には注意してくださいね。)」

悠「ハハ、アリガトウゴザイマス」

お熊「それじゃあ、私は帰るわね。」

マリア「ありがとうございました。」

悠「……あー、ぞっとした」

マリア「そんなにおびえなくても。せいぜいお尻を「アッーーー」されるだけですよ。」

悠「一番最悪の事態だろ!!」

マリア「でも、お熊さんはジャニ系よりもっといぶし銀のきいた若いころのアーノルドシュワルツネッガーみたいなひとが好みらしいです。でも、ぜんぜん桜井君とか長瀬君とかも守備範囲らしいです。」

悠「やめろ、いろんなとっから怒られるぞ!!」

マリア「なので悠さんもバッチリ守備範囲かと」

悠「やめろっ!尻と股間が縮こまる!!」

マリア「それよりも調べていただけましたか?」

悠「ああ、いきなり電話口で言ってた妖怪の仕業かもしれないってやつな。最初は逮捕されたとか小判が葉っぱになったとかついに壊れたかと思ったぞ」

マリア「どうせ壊れるなら銀行強盗ぐらいしてから壊れますよ。」

悠「なるほど、正常だな。っで、連絡を受けて調べてみたが骨董屋でお前が売った古銭は葉っぱになっていて、地図を見て現地に向かったがそんな場所は見つからなかった。」

マリア「はい、それで」

悠「で、人を騙して葉っぱを金に換える妖怪といえば……狸だ。」

マリア「狸!狐狸妖怪ですか!」

悠「理由はわからんが子育てをしていたっぽいな。それでその面倒を見きれないと判断して逃げたんだろう。ということで犯人は捕まらない」

マリア「ちくしょー!どうせなら小判を全部売ってから逃げてほしかったーーー!」

悠「懲りてねぇな……。」

マリア「狐狸妖怪だけに!」