ー日常ー街の住人達【5】
ー広尾(?):陰気な家ー
マリア「ただいま帰りましたー!」
白塗りの女『ほんとに急いだわね』
家の中に駆け込みながらマリアは後ろ手に隠し持っていた鼠のオモチャを転がした。部屋の隅をチョロチョロと走りだす。
何かが動いたと家主たちの視線はそちらに向く。
その隙にマリアは赤ん坊の元に駆け寄ると赤いペンを持ちだして顔につんつんと点をつけていく。
マリア「あーー!」
お歯黒の爺『えっ?』
マリア「赤ちゃんの顔に発疹が!」
猿顔の男『ええっ!?』
赤ん坊はスヤスヤと眠っているが確かに顔に赤いぽつぽつ(インク)がついている。
白塗りの女『キャーいつの間に!』
お歯黒の爺「全然気がつかなかった!」
マリア「きっと病気です!早く入院させないたいへんなことになります!」
白塗りの女『にゅーいんってなに!』
マリア「病院に入れてお医者様に治してもらうんです!小判百枚はかかります!」
白塗りの女『百枚!?』
マリア「ださないと死んでしまうかもしれませんよ!」
白塗りの女『待ちなさい!はい、百枚!!』
白塗りの女は慌てた様子で奥から小判が詰まっているらしい袋を差し出した。
マリア「さっそく入院させます!あとで報告に来ます!」
赤ん坊と小判を抱いてマリアは飛び出していく。
白塗りの女『子育てって思ったより大変ね。』
『『うーむ…』』
~~
百枚もないといわれるかと思ったがあの調子だともっとありそうだなどと思いながらマリアは病院へと駆けこんだ。
マリア「お願いです!なんでもいいから入院させてください!」
医者「なんでもって」
マリア「入院証明書があればそれをネタにもっとふんだくれるんです!」
医者「言ってることが分からんし、このブッブッもどうも変だ。」
マリア「お願いですから入院証明書を!」
医者「赤ちゃんをふいてみたまえ」
看護師「はい……!?先生」
医者「なんだね」
看護師「足を……ほら例の……」
医者「むっ。わかった、証明書を出すから隣の部屋で待っていなさい」
そういわれて十分後、部屋に入ってきたのは黒いスーツを着た男たちだった。
マリア「証明書ができましたか!」
瞬間、マリアの両手には鉄の輪、いわゆる手錠がハメられました。
警察「嬰児誘拐容疑で逮捕する」
マリア「誘拐ってなんです!!」
警察「あの赤ん坊は三日前都内の産院から誘拐されたんだ!足の裏に名前が書かれていた!」
マリア「そ、そんなはずは!じつはこれこれしかじかで!」
警察「えーい小判の二分金のと口から出まかせを!」
マリア「本当です!嘘でない証拠にここに小判が……!?」
小判の詰まった袋を開けてみたか中身はただの枯れ葉が詰まっていた。
おマリの必死の弁解にもとづき地図を頼りに広尾の細い道を行ったり来たりしましたがあの不思議な場所は二度と見つかりませんでした。
~~
白塗りの女『やれやれ佐渡も観光化が進んで住みにくくなって』
お歯黒の爺『いっそ都会に出て一旗あげようかと出てきてはみたが』
猿顔の男『どこへいっても先立つものは金といってわしらが作れる偽金は先々代から教わった奴ばかりでどうにも使いにくい』
お歯黒の爺『働いて稼ごうにもわしら肉体労働は苦手だし、子守りぐらいなら何とかなるかと練習台を借りてきてやってみたが、これも思いのほか難しい』
白塗りの女『しょうがない、どこぞの山奥に籠って木の実草の根を喰らい余生を過ごそうとしようかい』
猿顔の男『そうだのお』
そういって人間だった姿から狸の姿に変わって三匹はどこかへと消えていきました。
~~
警察「さぁ、観念して白状しろ!」
マリア「誰か助けてーーー!」
マリア「ただいま帰りましたー!」
白塗りの女『ほんとに急いだわね』
家の中に駆け込みながらマリアは後ろ手に隠し持っていた鼠のオモチャを転がした。部屋の隅をチョロチョロと走りだす。
何かが動いたと家主たちの視線はそちらに向く。
その隙にマリアは赤ん坊の元に駆け寄ると赤いペンを持ちだして顔につんつんと点をつけていく。
マリア「あーー!」
お歯黒の爺『えっ?』
マリア「赤ちゃんの顔に発疹が!」
猿顔の男『ええっ!?』
赤ん坊はスヤスヤと眠っているが確かに顔に赤いぽつぽつ(インク)がついている。
白塗りの女『キャーいつの間に!』
お歯黒の爺「全然気がつかなかった!」
マリア「きっと病気です!早く入院させないたいへんなことになります!」
白塗りの女『にゅーいんってなに!』
マリア「病院に入れてお医者様に治してもらうんです!小判百枚はかかります!」
白塗りの女『百枚!?』
マリア「ださないと死んでしまうかもしれませんよ!」
白塗りの女『待ちなさい!はい、百枚!!』
白塗りの女は慌てた様子で奥から小判が詰まっているらしい袋を差し出した。
マリア「さっそく入院させます!あとで報告に来ます!」
赤ん坊と小判を抱いてマリアは飛び出していく。
白塗りの女『子育てって思ったより大変ね。』
『『うーむ…』』
~~
百枚もないといわれるかと思ったがあの調子だともっとありそうだなどと思いながらマリアは病院へと駆けこんだ。
マリア「お願いです!なんでもいいから入院させてください!」
医者「なんでもって」
マリア「入院証明書があればそれをネタにもっとふんだくれるんです!」
医者「言ってることが分からんし、このブッブッもどうも変だ。」
マリア「お願いですから入院証明書を!」
医者「赤ちゃんをふいてみたまえ」
看護師「はい……!?先生」
医者「なんだね」
看護師「足を……ほら例の……」
医者「むっ。わかった、証明書を出すから隣の部屋で待っていなさい」
そういわれて十分後、部屋に入ってきたのは黒いスーツを着た男たちだった。
マリア「証明書ができましたか!」
瞬間、マリアの両手には鉄の輪、いわゆる手錠がハメられました。
警察「嬰児誘拐容疑で逮捕する」
マリア「誘拐ってなんです!!」
警察「あの赤ん坊は三日前都内の産院から誘拐されたんだ!足の裏に名前が書かれていた!」
マリア「そ、そんなはずは!じつはこれこれしかじかで!」
警察「えーい小判の二分金のと口から出まかせを!」
マリア「本当です!嘘でない証拠にここに小判が……!?」
小判の詰まった袋を開けてみたか中身はただの枯れ葉が詰まっていた。
おマリの必死の弁解にもとづき地図を頼りに広尾の細い道を行ったり来たりしましたがあの不思議な場所は二度と見つかりませんでした。
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白塗りの女『やれやれ佐渡も観光化が進んで住みにくくなって』
お歯黒の爺『いっそ都会に出て一旗あげようかと出てきてはみたが』
猿顔の男『どこへいっても先立つものは金といってわしらが作れる偽金は先々代から教わった奴ばかりでどうにも使いにくい』
お歯黒の爺『働いて稼ごうにもわしら肉体労働は苦手だし、子守りぐらいなら何とかなるかと練習台を借りてきてやってみたが、これも思いのほか難しい』
白塗りの女『しょうがない、どこぞの山奥に籠って木の実草の根を喰らい余生を過ごそうとしようかい』
猿顔の男『そうだのお』
そういって人間だった姿から狸の姿に変わって三匹はどこかへと消えていきました。
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警察「さぁ、観念して白状しろ!」
マリア「誰か助けてーーー!」