ー日常ー街の住人達【5】

ーエメラダ:ミハイル宮殿ー

靴の神『いつもセンパイ風を吹かせおって!きさまの偉そうな態度には飽き飽きだ!』

服の神『なにぃ!』

靴の神『下剋上だ階級闘争だ武力革命だ!きさまにかわってこれからはオレたちが命令を下す立場になるのだ!』

服の神『何をするつもりじゃ!』

靴の神『知れたこと巨大化した靴底をもって貴様を汚す!そうすれば動けなくなるだろう!』

ムーン1「汚せば機能停止状態だ」

ミハイル「そうか、僕たちの話を聞いてたんだ!」

靴の神『これからすべての靴に指令を出し、世界中で服を汚しまくって機能を失わせてやる!』

服の神『な、なんということを!』

靴の神『それがいやなら土下座しろ!ひざまずいて永遠の隷属を誓え!』

靴下『ま、まあまあお二人とも』

チコ「私の靴下?!」

服の神『どっちつかずの靴下の神はひっこんどれ』

服の神に弾き飛ばされた靴下がミハイルの顔に直撃する。

チコ「わたしの靴下ーー!!」

ミハイル「待て。どっちつかずとは?」

顔に着弾した靴下を手に取って話しかける。

靴下の神『つっまりぼくたちは服の一部ともいえるし素足で靴を履くとこすれて痛いから発達した靴の仲間ともいえるのです。こうもりみいなもので立場が弱いんです。おまけに実力もないし』

ミハイル「弱音を吐くな!それでも神様の仲間か!きばって根性をださんかい!」

靴下の神『こ、根性って…』

ミハイル「いいか服の神は確かに横柄だが、それは性格的なもので善悪の問題ではない。しかし靴の神はあきらかな暴力的手段で服の神を屈服させようとしている。いわばただの困ったおっさんとテロリストだどっちの味方をすべきかは明白だろう」

靴下の神『どっ、どうしたら…』

ミハイル「こうするんだ」

ミハイルの入れ知恵を受けて靴下の神は靴の神と同じように巨大化した。

靴下の神『やい、靴の神!』

そして巨大な靴をすっぽりと覆うようにかぶさったのだ。

靴の神『わ…!?わわわわっ!!』

靴下の神『服の神、今です!』

服の神『おおそれなら汚される心配はない!靴下の神感謝する!』

服の神は靴下に入った靴の神をこれでもかとボコボコにした。

靴下が味方に付いた以上きさまの脅迫なんかこわくもなんともないとさんざんどやしつけられて靴の神はスゴスゴと引き下がっていきました。

ムーン1「殿下、靴下の神が弱ってます。」

ミハイル「内側が汚れたせいだろう洗濯してからエステしてやれ。」

服の神『ありがとう君のおかげで助かったよ』

ミハイル「いやいや」

服の神『わしも威張りすぎたようじゃ考えてみれば人間がおらねば服の存在価値もないのじゃ』

ミハイル「なんの着心地のいい服やきれいな服を着るのは人間にとって喜びですよ。でもこれからは共存共栄ということで」

服の神『うむ。では、活躍したから帰るよ』

服の神は去ったらしくミハイルの服はぱさりと力なく床に落ちた。普通の服に戻ったらしい。

「「「一件落着だーーー!」」」

ミハイル「それにしても、どうしてわが国ではこんなわけのわからない事件がよく起きるかな」

殿下がトップだからですよ。そう言いたい皆でしたがとても口には出せませんでした。
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