ー日常ー街の住人達【5】
ー都心:古若寮ー
それから次の日、会社に行きがけにぼくがゴミを出していったら9時ごろ……
ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!っとチャイムが連打される。
何事かと思って若嫁が出てみると。
若嫁「はい?」
高飛車婦人「奥さま!」
若嫁「キャー!部長の奥さま!」
高飛車婦人「来るざます!」
若嫁「ええっ?!」
腕を引っ掴まれて連れてこられたのはゴミ捨て場だった。そこで伊武ヶ崎家が出したゴミ袋を指さして高飛車婦人がいった。
高飛車婦人「生ごみの中にペットボトルのフタが見えるざます!ちゃんと分別したんざますか!」
若嫁「えっ、あの分別といいますと?」
高飛車婦人「!!」
~~
若者「うっかりしてたんだ。ぼくたちが住んでいた地域はビン、カン類だけを分別していればよかったんです。」
マリア「はいはい、ありますね。地域というか市によってゴミの分別にゆるかったり厳しかっり」
若者「知らなかったのは確かに悪いんだけど、でもそのあと妻は路上にゴミを広げさせられて素手で分別させられたんです。」
マリア「ゴミ問題はきちんとしなくちゃいけませんが、でもそれはちょっとやりすぎですねぇ。」
若者「それ以来ちゃんと分けて捨てるようになりましたが……でもときどき見落としがあって、『クリーニングのタグの安全ピン!』『ビニールの切れ端!』と、そのたびに怒鳴り込んでくるのでノイローゼ気味になったんです。」
マリア「うーむ…」
若者「それでもがんばっていた妻がせめて心を落ち着かせようとクラシックをかけていたら……」
~~
すぐに電話がかかって来て。
若嫁「はい、伊武ヶ崎です。」
『うるさいっ!!』
若嫁「そっ、その声は井矢見課長のおくさま?!うるさいって…えっ、でもお宅はたしか三階下では?」
井矢見婦人『こういうマンションでは音が反響して離れた場所でも聞こえるのよ!そんな事も知らないんだからホント今どきの若い人は!』
叩き付けるようにガチャン!と電話が切られた。
またある時、お湯を沸かしていてヤカンがなったので小走りで火を止めに行くと、下の部屋からドンドンッと棒か何かで突いてきたんです。
~~
話を聞きながらマリアはお茶を淹れて、若者の前に置いた、当然というかちゃっかりというか自分の分も用意している。
マリア「ピアノの音で殺人事件が起きたぐらい集合住宅で音の問題は大きいですからね。」
若者「確かにそこまではマンション暮らしになれていないぼくたちが悪いかもしれなないけど……」
それから次の日、会社に行きがけにぼくがゴミを出していったら9時ごろ……
ピンポン!ピンポン!ピンポン!ピンポン!っとチャイムが連打される。
何事かと思って若嫁が出てみると。
若嫁「はい?」
高飛車婦人「奥さま!」
若嫁「キャー!部長の奥さま!」
高飛車婦人「来るざます!」
若嫁「ええっ?!」
腕を引っ掴まれて連れてこられたのはゴミ捨て場だった。そこで伊武ヶ崎家が出したゴミ袋を指さして高飛車婦人がいった。
高飛車婦人「生ごみの中にペットボトルのフタが見えるざます!ちゃんと分別したんざますか!」
若嫁「えっ、あの分別といいますと?」
高飛車婦人「!!」
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若者「うっかりしてたんだ。ぼくたちが住んでいた地域はビン、カン類だけを分別していればよかったんです。」
マリア「はいはい、ありますね。地域というか市によってゴミの分別にゆるかったり厳しかっり」
若者「知らなかったのは確かに悪いんだけど、でもそのあと妻は路上にゴミを広げさせられて素手で分別させられたんです。」
マリア「ゴミ問題はきちんとしなくちゃいけませんが、でもそれはちょっとやりすぎですねぇ。」
若者「それ以来ちゃんと分けて捨てるようになりましたが……でもときどき見落としがあって、『クリーニングのタグの安全ピン!』『ビニールの切れ端!』と、そのたびに怒鳴り込んでくるのでノイローゼ気味になったんです。」
マリア「うーむ…」
若者「それでもがんばっていた妻がせめて心を落ち着かせようとクラシックをかけていたら……」
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すぐに電話がかかって来て。
若嫁「はい、伊武ヶ崎です。」
『うるさいっ!!』
若嫁「そっ、その声は井矢見課長のおくさま?!うるさいって…えっ、でもお宅はたしか三階下では?」
井矢見婦人『こういうマンションでは音が反響して離れた場所でも聞こえるのよ!そんな事も知らないんだからホント今どきの若い人は!』
叩き付けるようにガチャン!と電話が切られた。
またある時、お湯を沸かしていてヤカンがなったので小走りで火を止めに行くと、下の部屋からドンドンッと棒か何かで突いてきたんです。
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話を聞きながらマリアはお茶を淹れて、若者の前に置いた、当然というかちゃっかりというか自分の分も用意している。
マリア「ピアノの音で殺人事件が起きたぐらい集合住宅で音の問題は大きいですからね。」
若者「確かにそこまではマンション暮らしになれていないぼくたちが悪いかもしれなないけど……」