ー日常ー街の住人達【5】

ー常春の国:エメラダー

以前、「朝」や「昼間」の事件をなんとか解決したミハイルはそのあとN○Tの電話番号案内で福の神の番号を調べ、儲けさせてもらおうとしたのですが、期待に胸が高まるあまり、指が震えて福の神とは一番違いの貧乏神にかけてしまったのです。

お話はここから始まります。

ミハイル「えーと教えてもらった番号は」
ピポパパペプピパポペ♪

チコ「殿下、急ぎの書類です。」

雪ん子ちゃんの一件を福太郎に任せて、すこし気持ちが落ち着いたため。エメラダに戻ってきていたチコ。実は彼女、そこそこ耳がいい。

ミハイル「電話中だ。そこに置いておけ」

チコ「はい」

『もしもし』

ミハイル「あっ、もしもしわたくしエメラダ国王ミハイルと申すものですが是非いらしていただきたいのですが」

『えっ、うかがってもいいですか』

ミハイル「もちろんです。ぜひともおいでください。お待ちしてます。それでは」
チンッ!

チコ「どちらにかけたんです?」

ミハイル「××の××××の×××8番だ」

チコ「いえ、電話番号ではなくお相手の……ピポパパペプピパポペ?」

そして実は音感もいいのです。

ミハイル「なんだ」

チコ「殿下違いますよ。最後の音は8番で無く7番にかけてます。」

ミハイル「えっ、そんなはずは…メモリー確認。ありゃほんと×××7番だ」

チコ「違う人にかけんですね。」

ミハイル「それにしちゃすぐにいくといったぞ。そそっかしい奴もいるものだ。断ろうリダイヤル。」
ピポパパペプピパポペ♪

『はい、もしもし』

ミハイル「もしもし今ほどのものですが」

『ああ、ちょうど今出かける準備をしてるところです。』

ミハイル「えーと、そのことなんですが、失礼ですがどちら様です?」

『はあ?そちらからかけてきて、こちらが何者か尋ねるんですか?』

ミハイル「前回も同じような会話があったな。さしつかえなければどこのどなた様かおしえていだきたいのですが」

『もちろん言わずとも知れた貧乏神です。』

ミハイル「……」

チコ「……」

ミハイル「来なくていい!!」

『そうはいかぬ。理由は分からんがわしは人に招かれることがほとんどなくてな』

ミハイル「本当に理由に心当たりはないのか!本当に!」

『せっかくの招待を断るつもりはない。必ず行く首を洗って待っとれ!』

ミハイル「よ、よ……よりによって厄介な奴に間違い電話をかけてしまった!」
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