ー日常ー街の住人達【5】

ーアラファト家政婦協会ー

マリア「ひぃ、ふぅ、みぃ……全部でちょうど五百円あります。これを明日中に50万に増やします。」

おばちゃん「どうやって!?」

マリア「方法は任せてください。ただし……」

おばさん「ただし!?」

マリア「急ぎの仕事ですから多少荒っぽくなります。いくらか犯罪めいたこともやらなくちゃなりませんがそこの所はご了承を」

「「……」」

ばあちゃん「目的は手段を正当化する。」

おばさん「人助けのためだから殺人と強盗以外なら何をやっても許されると思うわ」

マリア「強引な解釈、ありがとうございます。」

「「「頑張って!」」」


~~


さて翌日、マリアは駅前のベンチに腰掛けて作戦を考えていた。ペンを巧みに振り回し、まとまったアイディアをメモに走らせる。「へのへのもへじ」とか書いてあるけどアイディアはまとまったらしく、ベンチから立ち上がった。

向かった先は駅。販売機ではなく窓口の方へと歩いていき……。

マリア「すいません自販機で一円や五円は使えるでしょうか?」

駅員「いいえ」

マリア「百円にかえてください」

駅員「へーい」

やたら細かい小銭を百円玉五枚に変えて近くのコンビニへ。

マリア「すいません。百円玉五枚を五百円玉に両替してください。」

店員「はあ」

マリア「買い物の代金を五百円玉で払うのが趣味でして」

店員「はぁ、じゃあ五百円」

店員がレジから五百円玉を取りだし、それを受け取るマリア。

そしてマリアの手のひらのうえには確かに百円玉が五枚。それを直接レジへと投げ込む。

マリア「どーもー」

店員「あら買い物は?」

にやりと笑うマリアの手のひらには百円が一枚両面テープで張り付けられている。

そして古いジュースの自販機に五百円玉を入れてすぐ返却ボタンを押すと百円玉が五枚出てくる。

そして次のコンビニへ……これを15軒ほど繰り返して総額二千円。

おマリこと夢前マリアの次の計画。

デパートへ行って二千円の商品券を買う。二千円以上の買い物をすると二時間の無料駐車券がもらえるから、それをデパートの近くで駐車場を探しているドライバーに売りつける。

~~

マリア『都心の駐車場は高いです。一時間千円は取られます。この駐車券を買いませんか二時間とめられます。五百円でいいです。』

ドライバー『買った』

~~

マリア「そのあと商品券を金券ショップに持っていけば95%で引き取ってくれるから千九百円になる。差し引き四百円の儲けね。ただ、つごうよく駐車場を探してるドライバーが見つかるかが問題ね。」
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