ー日常ー街の住人達【5】

ーアラファト家政婦協会ー

ここはマリアが働いているアラファト家政「婦」協会です……が男の家政「夫」も働いています。

青年「はぁ」

マリア「サトル君どうしました」

サトル「母親が病気で……」

マリア「……」
おばちゃん「……」

サトル「手術しなくちゃいけないんですが専門医のいる病院に入院させるには50万円という大金が必要なんです。そんなお金つくれなくて」

おばちゃん「お父様は?」

サトル「……」

サトル君は静かに首を振った。

おばちゃん「あっ、ごめんなさい」

サトル「失礼します」

サトル君は一礼すると部屋から出ていってしまう。

おばさん「サトル君て高校生よね」

はあちゃん「そう学生アルバイト」

おばちゃん「知らなかったけど苦労してるのね」

おばさん「彼いい子よね」

おばちゃん「いい子よぉ、性格は良いし働き者だし近ごろ珍しいさわやかな青年だわ」

おばさん「ねぇあたとたちでなんとかしてあげない?みんなでカンパしてさ」

ばあちゃん「それグッドアイデア」

おばちゃん「それじゃみんな全財産をだして」

「「「せーの」」」

チャラーン!っと音を立ててテーブルの上に山を積む小銭。

マリア「ちょっと待ったなんですその……ちゃらーん♪ってこ○師匠のあいさつみたいな。これがみなさんの全財産ですかぶつかっても音のしないお金はないんですか!紙で出来たお金は!」

おばちゃん「仕方ないわよお給料日前だし」

おばさん「そういうおマリちゃんはどうなのよ」

マリア「私はドーンと!」

チャリンっと五十円玉が一枚。

おばさん「ドーンと一番少ないじゃないの」

マリア「先週借金の内入れに20万返したのをわすれてました。」

ばあちゃん「おマリちゃんも十分に苦労人なのよね……」

マリア「そうだお熊さんなら50万円くらい右から左でしょう」

おばさん「ダメ彼女出張中」

マリア「近場なら言って借りてきますよ。どこです?」

おばさん「テルアビブ」

マリア「うわぉっ」

おばさん「政府の仕事なのしばらく帰ってこないわ」

おばちゃん「家政婦協会が前借させてくれないかしら」

おばさん「命知らずなこと言うわね。ガメツイことにかけちゃあ、西の吉○か東のアラファトかというくらいなのよ。前借なんて頼んでごらんなさい。次の日、隅田川に浮かぶわよ、アンタ」

おばちゃん「そんなこわい組織とは知らなかった」

マリア「でも乗り掛かった舟を降りるわけにはいきませんよ」

おばちゃん「そうねサトル君の言葉の様子じゃ一刻を争う感じだったし」

マリア「よし!あたしがなんとかしてみましょう!!」

「「「ええっ!!」」」
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