ー日常ー街の住人達【5】

ー常春の国:エメラダー

『自信ないなぁ。』

ミハイル「はぁぁっ?!」

『なにしろ、のぼせあがってるから人のいう事なんか聞きゃしない。それこそ百年くらいかけて目が覚めるのを待つしかない』

ミハイル「それじゃ遅いんです!これを解決しなければCMどころの話じゃない。ギャラが欲しかったら頑張ってください!」

『やっちゃみるけど期待薄だなぁ』

ミハイル「ええい!あてにならん平均気温が30度上がるという事は夏場30度になるところは60度!人間が生息できる環境ではない!人類は確実に滅亡する!」

「「「わーーー!」」」

ムーン1「また喧嘩だー!」

ミハイル「くぉらーっ!人類滅亡の危機に何をのんきに喧嘩なんか!」

ムーン1「文句ならナイト号と昼行灯号、たそがれ号と朝っぱら号にいってください!」

ミハイル「えっどこかで聞いたような……いきさつは?」

ムーン1「ナイト号とたそがれ号はできてるんです!でも昼行灯号がちょっと色っぽい、たそがれ号に横恋慕していて、それを面白がってたそがれ号が昼行燈にちょっかいを出すんです!愛人のナイト号は不愉快ですが、惚れた相手に文句は言えず矛先を昼行灯号に!それで喧嘩になるんです。昼行灯号と仲のいい朝っぱら号が止めようとするんですが!あれっ?殿下?」


似ている、ということは!電撃が走ったミハイルは研究室に走った。

ミハイル「朝っぱら号!昼行灯号!」

朝っぱら号「うっ!?」
昼行灯号「えっ!?」

二人の頭に何かを突き立てたミハイル。

ムーン1「殿下なにをしたんです!?」

朝っぱら号「なぜいままでたそがれ号なんかより、ずっと素敵な君の存在に気がつかなかったんだろう」

昼行灯号「ぼくも」

ミハイル「濃縮無差別惚れ薬作戦成功!ようするに朝と昼をくっつければいいんだ!出かけてくる!」

ムーン1「え、あ、えーといってらっしゃい。」

朝はどこから始まるだろうと考え、標準時のグリニッジあたりだろうと見当をつけたミハイルは、夜明けのころグリニッジの上空から朝に向かって濃縮無差別惚れ薬を散布。ついでに昼間にも。

ミハイル「子の下ではさぞかし男性同士、女性同士無差別にカップルが増えるだろうな。そんなことはどうでもいいが」

それから数日後……

ムーン1「なんとなく涼しくなったような気がしないか?」

ムーン2「そういえば」

ミハイル「ええ、すると朝さんあなたと昼間さんが突然のフォーリンラヴ、いや恥ずかしがることはありません。恋はいつも突然やってくるものです。これから二人で温泉へ?けっこうですね。楽しんできてください。それでは……作戦成功。CO2は人類のこれからの課題だ。さらにCMは一時棚上げしてもいい、別のことを思いついたからな。」

ムーン「……」

ミハイル「ああ、お前だ。朝の携帯番号をどうやって調べた。」

ムーン「N○Tの電話番号案内ですよ」

ミハイル「えっ……そんな単純な話なのか?もしもし、えーとお金をバンバン儲けさせてくれる福の神さんの番号を知りたいんですが」

『はい、そちら特別な番号ですので通常の10倍の料金がかかります。』

ミハイル「通常料金はいくらです」

『1件63円です』

ミハイル「ぜひ教えてください」

というわけで服の神の携帯番号をゲットしたミハイル。ところが急いでいたため一番違いの貧乏神のところへかけてしまい、そのあとたいへんな目に合うことになるのですが、そのお話はまた別の機会……。
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