ー日常ー街の住人達

ー喫茶店:男爵ー

悠「おじいちゃーん、おなかすいたよー」

轟「カレー飯くうか?」

悠「まさかのインスタントを勧められるなんて……あんまりだぁぁぁ!」

千草「うるさいっ!」

悠「おいおい客だぞ。」

千草「マナーの悪い奴は客って言わないのよ。社会のごみカスっていうの」

悠「めちゃくちゃいってるぞ。お宅の孫娘」

轟「……嫁のもらい先は見つかってるしいいだろう」

悠「いやー、ダメだろ。いつかひと殺すぞきっと」

千草「あぁ、今ここで殺しそうだわ」
ギラッ…

悠「包丁とかじゃなくて肉たたきをちらつかせるな。」

轟「調理器具はやめておけ」

千草「そうよね。ガラスの灰皿とかでいいもんね。」

悠「それじゃあ、おれは撲殺できないぞ。結構な頻度で殴られてるから」

轟「……お前も修羅の道を歩んどるな」

悠「そのうち名前が悠十悠(ゆくも)になる」

千草「振り仮名がおかしい」

悠「にゃーん」

千草「ちっ」

悠「眉間にしわ寄せて舌打ちしてきたぞ」

轟「悠がいるときだけにしておくんだぞ」

千草「常識くらい心得てるわよ。おじいちゃん」

悠「おれには舌打ちしていいというのを常識にしてんなよ。」

千草「べー」

悠「……可愛いな」

千草「ひっ…!?」

轟「お前らのやりとりは謎だな」

玲王「すいませーん」

轟「おっと、いらっしゃいませ」

千草「いらっしゃいませー!」

悠「おいおい、なんたその甲高い声と笑顔。眉間にしわ寄せて肉たたき振り回してた人格はどこに引っ込めた」

千草「ボソっ(黙れ)」

悠「ズズっ、ああ、コーヒー美味しー」

千草「こちらのお席にどうぞ」

雫「あっ、パンのテイクアウトなんで」

千草「そうでしたか、それじゃあ。こちらのトレイとトングをお使いください。」

雫「わー、どれも美味しそう。」

玲王「そうですね。目移りしてしまいます。」

千草「今日のオススメはドライカレーアボカドサンドです」

玲王「ドライカレー……」

雫「あぼかど?」

千草「ピリからのドライカレーとアボカドのサラダを挟んであるので辛みとまろやかさが味わえますよ。もちろん、ドライカレーサンド、アボカドサンドの単品もございまーす」

悠「轟さん、轟さん、千草どこ行った?さっきまで居たはずなんだけど」

轟「気持ちは分かる」

千草「コホンっ!」

轟「むっ、こ、コーヒーのおかわりは?」

悠「あ、はい、いただきまーす」

玲王「それじゃあ、これでお願いします」

雫「わたしもー。」

千草「ありがとうございまーす。少々お待ちくださーい」

轟「そういえばお前ゴールデンウィークはどうするんだ?」

悠「ブラブラかな」

轟「……たまには父親とも話せよ」

悠「あーあー、聞こえない聞こえない」
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