ー日常ー街の住人達【5】

ー常春の国:エメラダー

ミハイル「ならば、蓋然性を80%に下げて解答しろ相手の正体は!!」

MC【でーた不足】

ミハイル「60%!」

MC【モーヒト声】

ミハイル「夜店で値切ってるんじゃあるまいし、コンピューターがかけひきするなバカタレ!」

MC【……】

ミハイル「(今一瞬気を悪くしたな厄介なコンピューターだ。ぼくがつくったんだからしかたがないが)蓋然性を40%に下げて解答!!」

MC【オソラクコレマデ誰モ会話シヨウトモデキルトモ思ワナカッタタメ、人類ガ一度モこんたくとヲトッタコトガナイ相手、正体ヲ確定スルニハでーた不足】

ミハイル「なんと!」

すると突然隣の部屋から喧騒が響いた。

「「「ワーー!わわーーーー!!」」」

ムーン1「ナイト号と昼行燈号のケンカだ!」

ムーン2「あっ、朝っぱら号が止めに入った!」

ミハイル「やかましい!このクソ忙しいときになにをのんきに喧嘩なんかしてるんだ!」

ムーン1「人が喧嘩してるときになにをのんきにクソいそかがしがってるんですか!」

ミハイル「静かにしないと全員死刑だ!」

「「「わーわーわーーー!」」」

ミハイル「給料を下げるぞ!!」

「「「……」」」

ミハイル「よーし、静かになったな。命より金の方が大事とは見下げ果てた奴らだ。」

「「「(殿下に言われたくないなあ)」」」

ミハイル「本物の「朝」なのか……。誰もコンタクトをとったことがないって…そりゃあそうだろう。朝と連絡をとろうなんて本気で考える奴がいるわけがない。偶然とはいえ、ぼくは人類史上初めて、朝と会話した人間になったわけだ。そして史上初という売り文句は間違いなく金儲けに繋がる!!」

やはり、ミハイルにとって向かうところは金なのだ。

そして、翌日……

『もしもし』

ミハイル「もしもし」

『この番号は現在使われておりません』

ミハイル「ハッハッハッ、気の利いたジョークですねえ。感心しました感動しました。笑いすぎてお腹の皮がよじれてしまいました。」

『……』

ミハイル「ところで朝さん。私事ですがおそまきながら、あなた様が本当の朝、朝昼夜の朝さんであると確信にいたりまして」

『えっ、やっとわかってくれたか。わかればそれでいいんだよ。それじゃ』

ミハイル「あいやしばらく、あなたは言うまでもなく世界的な大スターです。」

『いやスターだなんて』

ミハイル「誰一人として知らない。人間のいないあなたがスターではなくてなんです。そこで、ものは相談ですが、そのバツグンの知名度をいかしてCMに出演してみませんか」

『CM!?』

ミハイル「もちろんぼくが一切の代理業務をひきうけます…いかがです?」

『……』
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