ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダー

一週間、二週間とたつうちに雪ん子はますます人間の暮らしになれ、自分で仕事を見つけて働きだしました。

皆の汚れ物を洗濯したり。

ムーン1「うわっ、凍ってる」

靴を磨いたり。

ムーン2「つ、冷たい」

ミハイル「ふーむ、ちょっとしたデメリットがないわけではないが、しかし僕達のために可愛い女の子が働いてくれるのは有りがたいし嬉しいものだな。」

チコ「雪ん子ちゃんを見てると心がホッと和みますよね」

心は和みますが雪ん子がいるせいか宮殿内の気温がどんどん下がって……

ミハイル「寒いなあ。エアコンの設定温度をもっと上げろ」

ムーン1「これが限界です。もともと常春用なので暖房能力は弱いんです。」

ミハイル「うーむ、雪ん子ちゃんに帰ってもらった方がいいかもしれんな」

「「「えーっ」」」

ムーン1「彼女のおかげでぼくたち楽していやその」

チコ「一生懸命働いてくれてるのにいきなり帰すのは気の毒ですよ」

ミハイル「それは僕も同感だがこのままじゃしんぼうたまらんぞ」

雪ん子『(いけない恩返しを続けさせていただけなくなる!)』

ミハイルたちの話を聞いた雪ん子は皆を暖かくする方法はないかと図書館で調べました。

チコ「ストーブを設置するとかどうですか?」

ミハイル「いくつも宮殿内に設置したら景観も損なうし火事も怖いだろう」

雪ん子『あの!』

チコ「雪ん子ちゃん、どうしたの?」

雪ん子『チコさん、殿下、手編みのセーターです。着てみてください!』

「「えっ」」


~~


ミハイル「おお最初はひんやりしていたが」

チコ「着てるとすごくあったかい」

ムーン1「手編みのものには編んだ人の心がこもってそれであったかいんですよ」

雪ん子『殿下とチコさんにあたたかくなっていただきたくて、頑張って編みました!』

雪ん子『皆さんにも順番で編みますね!』

「「わーい!やったー!」」

ミハイル「これなら当分いてもらって大丈夫だな」

MC【殿下!】

ミハイル「おお分析が終わったか」

MC【一大事デス!もにたーヲゴランクダサイ!】

ミハイル「モニターを?」

ムーン1「マザーコンピューターのあせったような声を初めて聞いた」

ミハイル「えっ、異物の正体は…」

チコ「正体は?」

ミハイル「恐竜の怨念?」

「「「はあっ?!」」」
100/100ページ
スキ