ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダー

チコ「飲み込んだなにかが熱の原因ってことでしょうか?」

ミハイル「恐らくわな」

ムーン1「どうしましょうか?」

ミハイル「さっそく取りだそう。胃の中なら手術の必要もない。器具を用意しろ」

ムーン1「はっ!」

胃カメラとリモート鉗子を使った手術(?)が始まった。

ムーン1「鼻から通しますか」

ミハイル「いいや、鼻からじゃまずい。異物が引っ掛かる恐れがある。口からいれろ」

医療ムーン「うわお!」

ミハイル「どうした」

医療ムーン「胃の中が光ってます!」

ミハイル「なんと!」

医療ムーン「よし、掴んだ」

ミハイル「ゆっくり引きだせ」

雪ん子『んんっ……』

医療ムーン「こ、これは……!」

鉗子の先には小さな発光物体。その異物のサイズから発している光量は明らかに普通ではない。

ミハイル「拡大スコープの上へ!」

医療ムーン「はい!」

ミハイルは拡大スコープを覗き込んだ。そこには……(怨)

ミハイル「えっ?!」

ミハイルが何かを見て声をあげた後、異物は煙のように消えてしまった。

チコ「消えた?!」

ムーン1「なんだったんです?」

ミハイル「なんだかわけのわからんものだ。地下のマザーコンピューター今の映像を記録したか?」

MC【然リ。】

ミハイル「分析して正体を突き止めろ」

MC【了解】

医療ムーン「雪ん子ちゃんり熱がどんどん下がってきます」

雪男『おお!殿下ありがとうございます!』

雪女『娘の命の恩人です!』

ミハイル「いやいや天才足長イケメン小食スーパー科学者だなんて」

チコ「いろいろいい加減にしてください。」

義理がたい雪男一族のことすっかり元気になった。雪ん子に恩返しをするよう言い置いて、両親は山へ帰っていきました。

雪ん子『ご恩返しをさせていただきます!』

ミハイル「気を使ってくれなくてもいいんだが」

雪ん子『そうはいきません!何でもいいつけてください!』

ムーン1「気持ちは有難いけど」

ムーン2「人間界で暮らしたことのない子に何をやってもらえばいいのか」

雪ん子『教えてくださればなんでもします!』

ミハイル「なら、チコ。教えてやれ」

チコ「私がですか!?」

雪ん子『よろしくお願いします!』

その言葉通り教えてみると掃除も料理も実に器用にこなします。

ミハイル「バツグンにうまい」

チコ「そうなんです。ほとんどものを食べないはずなのに料理の本を見せただけで作れるようになったんですよ。雪ん子ちゃん」

ムーン1「すごいなぁ」

ミハイル「ただ、全部冷たいのが難点だな……」

チコ「はは…」
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