ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダー

ミハイル「ガメつくないとか小食とかもいいな」

雪女『あの……』

ミハイル「服のセンスがバツグンとか」

雪女『ですから!このまま熱が続いたら娘は死んでしまいます!そうなったら宮殿も大変なことになるのですよ!』

ミハイル「どう大変なのかゆっくり聞こう」

雪女『あなた!なんとかいって!』

雪男『わたしらの体は莫大な量の水の分子が凝縮してできています。以前一族のものが山火事に巻き込まれて死んでしまったのですが、その時絶命した彼の身体から解放された水が大きな山火事を消してしまったのです。われわれが死ぬとそれほどの量の水に還元されるのですよ』

ミハイル「つまり?」

雪男『つまり娘が死ぬと宮殿が大洪水なり家財道具は流され水死者も出るでしょう』

ミハイル「大変じゃないか」

雪男『ですから大変なことになると』

ミハイル「大変だーーーー!そういうことは早く言え!僕は察しがいいんだ!チコ、起きろ!ムーンを叩き起こせーーー!!」

雪男『まったく賢いのやらアホなのやら』


~~


雪ん子『……』

ムーン1「CTスキャンにかけたところ胃の中に異物があるようです。」

ミハイル「胃の中に……って、おまえたちの格好なんとかならんのか」

ムーンたちはみんな、寝間着姿。ひどいものは男の癖にネグジェリのものもいた。そいつはミハイルにぶん殴られた。

ムーン1「夜中に叩き起こすんですもの」

ミハイル「胃の中に異物だそうだ。雪ん子ちゃん。ひろい食いでもしたんじゃないか?」

雪男『まさか、わたしら嗜好品として時おり木の実を食したりしますが主食は山の霞です。』

チコ「昔の中国の仙人は霞を食べて生きていたそうですが」

ミハイル「霞じゃ生きられんだろう、おそらく宇宙に充満している未知のエナジーを霞とともに吸収してエネルギー源にしているに違いない。」

雪女『あなた2.3日前』

雪男『おおそういえば』

チコ「なにかあったんですか?」

雪男『3日ほど前、皆で食事をしていたのですが』

ムーン1「霞を食べるってどんな風に?」

雪女『深呼吸です』

チコ「不思議な食事風景ですね」

ミハイル「だまって聞け」

雪男『すると娘が急にせき込んで、どうしたのかと聞いたら「なにか飲んじゃった」とは言っていたのですが、別段異常はなかったので、雪虫でも飲んだのかと思ったのです。雪虫ならすぐ溶けてしまいますので。』

雪女『ところが今日になって』

ミハイル「おかしくなったわけか」
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