ー日常ー街の住人達【4】

ーアラファト家政婦協会ー

マリア「赤ちゃんて整形できるんでしょうか?」

おばさん「赤ちゃんを整形?」

おばちゃん「そんなことできるわけないじゃない」

マリア「ですよねぇ」

おばさん「マタニティーブルーといってね。どんな健康な妊婦さんでも鬱になる時期があるのよ。そとの親になる重圧からくるものらしいけど。」

おばちゃん「そのひとの場合、そのうえ旦那さんに隠し事をしている負い目もあっていわばダブルパンチでブルーになってるのね。」

マリア「どうしたらいいでしょう」

おばさん「どうもこうも本当の事を言うしかないわよ」

おばちゃん「そう、ここで一時しのぎをしてもまた後で同じような問題が絶対出てくるわよ。」

マリア「正論ですけどねぇ。でも離婚問題に切ってんしたらお気の毒だし。」

おばちゃん「そのお義姉さんの弟なら大丈夫だと思うけど。」

おばさん「それよりその人、事情を知ってる人が側についてなくて平気かしら」

おばちゃん「うん、めちゃくちゃブルーになってると冷静な判断ができないからちょっと心配」

マリア「…………」

そう言われてマリアは心配になって白金台へと駆けた。


骨太な奥さま「あら、おマリちゃんどうしたの」

マリア「夜分すみません。ちょっと忘れ物をしまして」

骨太な奥さま「なにを?」

マリア「モビルスーツの中にアーマライトM-16カスタムを」

骨太な奥さま「ゴ○ゴ?」

マリア「ところでかすみ様は?」

骨太な奥さま「そういえばさっきから……」

骨太な男の子「おばちゃまならお風呂だよ」

骨太な女の子「出てくるの待ってるのに出てこないの」

骨太な奥さま「あら、長風呂かしら」

マリア「……奥さま!すみませんがのぞいてみていただけませんか!」

骨太な奥さま「えっ?」

マリア「説明は後です!お願いします!」

骨太な奥さま「わ、わかったわ!かすみちゃん開けるわよ!」

風呂場のドアを開けるとひやりとした空気。
浴槽には大量の氷の塊が浮いていて、その中に真っ青な顔色のかすみが浸かっていた。

骨太な奥さま「キャアッ、なにこれ!」

マリア「氷水!しまったお腹を冷やして赤ちゃんを!やっぱり普通の精神状態じゃなかった!ひとりにするんじゃなかった!!」

骨太な奥さま「おマリちゃん、何を知っているの!いいえ、そんなことより早く救急車を!」

マリア「はいっ!!」
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