ー日常ー街の住人達【4】

ー白金台:豪邸ー

お熊さん似の奥様から預かった子供たちなのだが、男の子はテレビゲーム、女の子は御絵描きに夢中。

実に大人しくて手のかからない良い子たちだ。

マリア「お熊さんはとても頼りになるけど奥さまもそんな感じだ。あの手の顔の人はきっとすごく精神的バランスが取れてるんだな。ということはお熊さんが子供を産むとやっぱりこういう良い子たちが……いやいやお熊さんが産むわけじゃないか。なんか毒されてるかも」

手がかからないという事は仕事が楽。これ幸いとサボろうと考えるのが普通ですが……プロ集団アラファト家政婦派出協会のスタッフは一味違います。

暇な時間を利用して自分で仕事を見つけてはクルクル小まめに働くのでした。

骨太な奥さま「ただいまー」

マリア「あっ、奥さま、かすみ様、おかえりなさいませ。」

骨太な奥さま「おマリちゃん、ご苦労さま。今日はもうあがっていいわよ」

マリア「ありがとうございます。でもまだ仕事が残ってますので。」

骨太な奥さま「なにやってるの」

マリア「物置にあったモビルスーツが汚れてたので磨いてるんです。」

骨太な奥さま「まあ、あの体長10数mの?たいへんね」

マリア「はい、でも最後までやってしまいますので」

骨太な奥さま「よく働くこと」


~~


マリア「やれやれやっと終わった。ジョイント部分の掃除は以前やったザクの方が楽だったわ。あっ、いけない布団が干しっぱなしだった」

おマリは慌てて干してあった布団をかき集めて家の中に戻った。とはいえ、一度に数枚の布団を運びきるのは無理と階段の前で止まって一度休憩を入れる。

かすみ「……」

ふと、人の気配を感じ階段の上を見上げるとかすみの姿が見えた。ふらふらとしているなぁっと思った瞬間、落ちた!

咄嗟の判断つというか無我夢中というかマリアは布団を放り投げた。

頭からの落下だが幸いにも布団の枚数も多く全身を包み込んだ。しかしながら身重の身体だ。

マリア「あっ、あっあぶない!かすみ様どうなさったんです立ちくらみですか!?おなかの赤ちゃんが危険で大変な事故の間一髪でしたよ!」

かすみ「どうして邪魔したの」

マリア「えっ」

かすみ「どうしてほっといてくれないの!思い切って倒れたのに!」

マリア「なにをいってるんです!あのままでは赤ちゃんが」

かすみ「赤ちゃんなんか生まれてこないほうがいいのよ!」
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