ー日常ー街の住人達【4】

ーアラファト家政婦協会ー

お熊「おマリちゃん今度のお仕事は子守りよ」

マリア「?!」

お熊「なにか?」

マリア「いっ、いえ子守りですね。わかりました。」

お熊「じゃあ、よろしくね。」

マリア「はい……。あの」

おばさん「えっ?」

マリア「鼻についてですよ。」

お熊さんの鼻はこうっ太く大きくてしっかりしていた形だったのだが日を追うごとにすっきりというか、スマートにシュッとした形に変わっていっている。

おばさん「乙女心よ」

マリア「ああ、「おとめごころ」という病気で鼻の形が変わってると」

おばさん「なんでやねん、新しい彼ができたのよ。彼好みのルックスになるためにプチ整形してるってわけ」


~~


マリア「まあいいですけどね」

やってきたのは白金台

お熊(?)「あなたが家政婦さん?」

マリア「おク!さまですか」

骨太な奥さま「妙な間があったけどその通りよ」

マリア「(あービックリしたお熊さんかと思った)」

骨太な奥さま「お願いするのはこの子たちよ」

骨太な男の子「こんちわー」
骨太な女の子「んちゃ」

マリア「(よく似た親子だなぁ)」

骨太な奥さま「それと義妹のかすみちゃん」

かすみ「よろしく」

骨太な奥さま「弟の自慢のお嫁さんよ。ただいま妊娠三か月」

マリア「よろしくお願いします」

骨太の奥さま「初産でおまけに弟は海外へ単身赴任中心細いことも多いだろうと、今は我が家に同居してもらっているの」

かすみ「お世話になりっぱなしで」

骨太な奥さま「これからいろいろと揃えなくちゃいけないものもあるし、マタニティ教室へ行ったり母乳体操を受講したり」

マリア「母乳体操?」

骨太な奥さま「母乳を出やすくするための運動よ。仕上げにおっぱいをギュウギュウもんだりするの。」

マリア「痛そうですね。」

骨太な奥さま「メチャクチャ痛いわ。でも、そういう事をキチンとやらないとちゃんと母乳は出ないのよ」

マリア「へーえ、お母さんになるのがそんなに大変とは知りませんでした。」

骨太な奥さま「もちろんそれ以上に喜びもあるんだけれど、とにかくこれから病院が良いとか保健所へ行ったりとかお買い物もあるし、五か月に入れば安定するけど三か月ではまだまだ不安定なのね。だからあたしが毎日の移動に付き添うことにしたの。預かった御嫁さんに万一の事があったら弟に顔向けできませんからね。」

マリア「分かりました。ではその間お子様をお預かりすることで」

骨太な奥さま「よろしくお願いするわ。」
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