ー日常ー街の住人達【4】
ーアラファト家政婦協会ー
マリア「お熊さんてどうして家政婦をやってるんですか?」
お熊「あら、唐突になぁに?」
マリア「いえ、お熊さんほどの迫力がある男性」
お熊「女性」
マリア「……お熊さんほどの技量がある方なら家政婦なんて仕事しなくても生きていけそうですし」
お熊「んー……確かにお金だけを稼ぐなら別の仕事ならあるけれどやっぱりそれだけリスクがいるじゃない?」
マリア「リスクですか」
お熊「そう。リスク、つまり危険。若い子風に言うとヤバいってことね。」
マリア「はい、わかります」
お熊「お金はもちろん大好きだけども、私はもう出来れば火薬と血の匂いがする戦場を駆け巡りたくないし、女の幸せはやっぱり家庭を持つことだと思うのよね。」
マリア「お熊さんなら家庭を持ち上げそうですけどね」
お熊「どういう意味かしら?」
マリア「話は戻りますけど、それじゃあ何で家政婦業に?」
お熊「それはもちろん人を殺すためじゃなくて、人を助けるための仕事がしたかったからよ。」
マリア「さらっと怖いですね。」
お熊「昔のことよ。ほほほっ」
マリア「ちなみに……」
~~
ー茶屋小鳥遊堂ー
久秀「ちなみに久秀はお金第二よ」
吉音「そなの?お金大好きって感じだけど」
久秀「お金はあくまで必要な手段。欲しいものを手に入れるためのね」
吉音「一番好きなのはなんなの?」
久秀「とうぜん自分」
想「言い切りましたね。」
久秀「とうぜんよ。ついでにいえば欲しいものは手に入れる主義だからこうやって久秀堂を足掛かりに」
吉音「小鳥遊堂」
久秀「経営権は私がほぼ握ってるでしょう。それに悠みたいなのは使われてる方が色々と役に立つのよ。他の従業員はアレだし」
吉音「……」
久秀「嫌味も通じないしね。」
想「吉音さんは吉音さんでその…………色々と忙しいですから。」
久秀「フォローになってるの逸れ?」
吉音「でも、ひーちゃん悠は商才ないっていったよね。従業員ならいいの?」
久秀「商才はないけど、知恵と機転はある。だから仕事をさせるのはいいのよ。そういう意味ではマリアもその類ね、仕事に対してだけは知性も優雅さもある。ああいう駒があると色々便利よ」
吉音「なるほどー」
想「なるほどっていっていいのでしょうか?」
久秀「一番いい組み合わせは腕のいいトップ、働く駒、そして……経営アドバイザーね」
~~
ールーマニア:ホテルー
「柏様、このたびはよくぞ我がホテルに」
柏「ああ、コイツだ」
光臣「……」
「初めして支配人。北斎十条(ほくさいじゅうじょう)です」
支配人「支配人です。まさか日本の方だとは、しかもお若い」
ギュッ
ギュッ
北斎「おや、支配人ご商談がうまくいきませんでしたか?」
支配人「ど…どうしてかね?」
北斎「ホテル内の気温は25度前後に保たれてます。なのに手のひらがやや汗ばんでいる。これは不安や緊張でこころのバランスを崩している状態でしかも、お声は張りがあるのに手を握る力は弱く簡単に私の方に引き寄せられてしまいます」
支配人「……」
北斎「失意とそれを悟られまいという心理。もうひとつ私の質問を質問でお返しになった。人間は確信をついた質問をされると思わず質問をし返してしまうものなんです。」
柏「大したものだろう。こいつは経営企業アドバイザーなんてものをやってはいるがひとの心を見抜く天才。」
北斎「とりあえずは一ヶ月契約でヨロシクオネガイシマス、ね。」
支配人「あ、ああ、よろしく。」
マリア「お熊さんてどうして家政婦をやってるんですか?」
お熊「あら、唐突になぁに?」
マリア「いえ、お熊さんほどの迫力がある男性」
お熊「女性」
マリア「……お熊さんほどの技量がある方なら家政婦なんて仕事しなくても生きていけそうですし」
お熊「んー……確かにお金だけを稼ぐなら別の仕事ならあるけれどやっぱりそれだけリスクがいるじゃない?」
マリア「リスクですか」
お熊「そう。リスク、つまり危険。若い子風に言うとヤバいってことね。」
マリア「はい、わかります」
お熊「お金はもちろん大好きだけども、私はもう出来れば火薬と血の匂いがする戦場を駆け巡りたくないし、女の幸せはやっぱり家庭を持つことだと思うのよね。」
マリア「お熊さんなら家庭を持ち上げそうですけどね」
お熊「どういう意味かしら?」
マリア「話は戻りますけど、それじゃあ何で家政婦業に?」
お熊「それはもちろん人を殺すためじゃなくて、人を助けるための仕事がしたかったからよ。」
マリア「さらっと怖いですね。」
お熊「昔のことよ。ほほほっ」
マリア「ちなみに……」
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ー茶屋小鳥遊堂ー
久秀「ちなみに久秀はお金第二よ」
吉音「そなの?お金大好きって感じだけど」
久秀「お金はあくまで必要な手段。欲しいものを手に入れるためのね」
吉音「一番好きなのはなんなの?」
久秀「とうぜん自分」
想「言い切りましたね。」
久秀「とうぜんよ。ついでにいえば欲しいものは手に入れる主義だからこうやって久秀堂を足掛かりに」
吉音「小鳥遊堂」
久秀「経営権は私がほぼ握ってるでしょう。それに悠みたいなのは使われてる方が色々と役に立つのよ。他の従業員はアレだし」
吉音「……」
久秀「嫌味も通じないしね。」
想「吉音さんは吉音さんでその…………色々と忙しいですから。」
久秀「フォローになってるの逸れ?」
吉音「でも、ひーちゃん悠は商才ないっていったよね。従業員ならいいの?」
久秀「商才はないけど、知恵と機転はある。だから仕事をさせるのはいいのよ。そういう意味ではマリアもその類ね、仕事に対してだけは知性も優雅さもある。ああいう駒があると色々便利よ」
吉音「なるほどー」
想「なるほどっていっていいのでしょうか?」
久秀「一番いい組み合わせは腕のいいトップ、働く駒、そして……経営アドバイザーね」
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ールーマニア:ホテルー
「柏様、このたびはよくぞ我がホテルに」
柏「ああ、コイツだ」
光臣「……」
「初めして支配人。北斎十条(ほくさいじゅうじょう)です」
支配人「支配人です。まさか日本の方だとは、しかもお若い」
ギュッ
ギュッ
北斎「おや、支配人ご商談がうまくいきませんでしたか?」
支配人「ど…どうしてかね?」
北斎「ホテル内の気温は25度前後に保たれてます。なのに手のひらがやや汗ばんでいる。これは不安や緊張でこころのバランスを崩している状態でしかも、お声は張りがあるのに手を握る力は弱く簡単に私の方に引き寄せられてしまいます」
支配人「……」
北斎「失意とそれを悟られまいという心理。もうひとつ私の質問を質問でお返しになった。人間は確信をついた質問をされると思わず質問をし返してしまうものなんです。」
柏「大したものだろう。こいつは経営企業アドバイザーなんてものをやってはいるがひとの心を見抜く天才。」
北斎「とりあえずは一ヶ月契約でヨロシクオネガイシマス、ね。」
支配人「あ、ああ、よろしく。」