ー日常ー街の住人達【4】

ー池袋:骨董品屋ー

マリア「これは……本物ですね?」

店主「残念、そいつは500円の壺だ」

マリア「本物じゃないですか。」

店主「……その心は?」

マリア「500円もするんです。本物ですよ。500円あったらおにぎり5つ買えますよ!!」

店主「……なんかスマン」

マリア「まったくだ!この髭親父が!」

店主「えぇっ……。」

マリア「ああ、すいません。本音が漏れました」

店主「おマリちゃん腕はいいし接客も完璧だけどときどき容赦ないよね。さすがはおクマさんからのバイトさんだ」

マリア「家政婦ですよ。まぁ、ただおクマさんと比べられると色々とまいりますけどね」

店主「あの人は……正直人かどうかわからないしな」

マリア「というか、まだ男ですよね?」

店主「あー……ええと、なんか玉は取ってるらしい……よ?」

マリア「……」

店主「……」

マリア「聞くんじゃなかったです」

店主「だよね…。ええと、倉庫の整理たのんでいいかな。気分転換に」

マリア「はーい」


~~


ゆうな「あっちー」

ゆえ「あっちーね……」

黒奈「部屋から出たくなくなる」

白奈「いつもだよね」

ゆうな「あれ?」

マリア「よいしょっと。はー、この壺とか持ち逃げして売りさばきたいなー」

ゆうな「おーマーリちゃん」

マリア「おや、悠さんの娘っ子とオセロ姉妹」

黒奈「誰がオセロだ」

白奈「デスダークネス&ピュアホワイトです」

黒奈「……」
ガシッ!
白奈「ノーノー、胸ぐら掴む、ノー!」

ゆえ「なにしてるのー……?」

マリア「ちょっとした家政婦バイトです。」

ゆうな「どう見てもやってることが家政婦じゃないっぽい」

マリア「骨董品の整理中ですよ。ちょっと見てみます?」

ゆうな「いいの?」

マリア「いいですよ。例え壊しても請求は悠さんにいくだけなんで」

ゆうな「なるほど」

ゆえ「しつれいしまーす……」

黒奈「今ので「なるほど」はどうなんだろうか」

マリア「といっても、整理してるだけ何で面白いことはないと思いますけどね」

ゆえ「おねえちゃんはこういうのすき……」

黒奈「そうなんだ」

ゆうな「この壺大きい」

白奈「高いの?」

マリア「その壺は藤絵の有田焼は現代作品ですからそんなに高くなくて100万円ぐらいです」

黒奈「100万?!」

ゆうな「……」
ぴとっ

ゆえ「なにしてるの……?」

ゆうな「手元が狂ってこの壺をチョンっとしたら100万円がパァ……って考えるとゾクゾクする」

黒奈「……」

白奈「……」

ゆえ「おねえちゃんはあのはいとくかんとすりるがたまらないらしいです……」

マリア「さすが悠さんの娘さんですね。どこか危ない」

ゆえ「すてきでしょ……」
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