ー日常ー街の住人達【4】

ーヨーロッパ:古城ー

ミハイル「まぁいい。流星号のコンピューターをプログラムして……いいか、流星号この城全体をミハイル山の中腹に運ぶんだ。」

流星号『ビッ』

ミハイル「その時、全速で飛んじゃダメだぞ。エメラダまで30分くらいかけてゆっくり飛べ」

チコ「なぜです?」

ミハイル「さっき飛んでるとき流星号が発光しているのに気が付いたろ」

チコ「はい」

ミハイル「亜光速で飛行する場合、回りを反重力のシールドつまりバリヤーのようなもので包む必要がある。」

チコ「はぁ」

ミハイル「さもないと風圧で飛ばされたり、空中のゴミと衝突して爆発する危険性がある。」

チコ「うわお」

ミハイル「バリアーに包まれているからこそ大気中でも水中でもあるいは宇宙空間ですらも安心して飛べるのだが、その際、超高速によって破壊される空気分子の発光現象だけはふせぎようがない。ものが流星号程度の大きさならともかくお城みたいに大きなものが光りながら飛んでたら目立ってしょーがあるまい。だからゆっくり飛べといってるのだ。」

チコ「なるほど」

ムーン2「殿下、エンドレス号がシャワーを浴び始めました。」

ミハイル「よし、いよいよ計画開始だな。流星号あとは頼んだぞ」

流星号『ビッ』

ミハイル「チコついてこい」

チコ「はいはい……って、今浮き上がったような気がしました。」

ミハイル「反重力装置が正常に作動をはじめた証拠だ。」


~~

エンドレス「ああ、気持ちいい。山道を歩いてきた疲れがれるなぁ。おまけにこの後、食事も運んでもらえるそうだし。ご飯がすんだら、柔らかいベッドで休むだけ、こんな楽なお客さんの役だったら今夜一晩といわずに三年ぐらい続いて欲しいな」

急にシャワーの湯が止まった。変だと思いシャワー口をみると赤黒い液体が噴出した。全身どころか浴室がまるで血まみれの赤……っと、思った瞬間、ただの浴室に戻っていた。


~~


ミハイル「まずは定番血のシャワー」

チコ「今のは?」

ミハイル「瞬間的に分解して無色になる赤い色素をお湯に混ぜただけだ。食事の用意はいいか?」

ムーン2「はっ」


~~


エンドレス「おかしいなぁ」

ムーン1「お客様」

突然、目の前にムーン1が逆さまで現れる。

エンドレス「ぎゃっ!」

驚いている隙に天井の仕掛けが外れて逆さづりになっていたムーン1は着地する。

ムーン1「お客様、どうなさいました?」

エンドレス「えっ?!えっえっえっ!」
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