ー日常ー街の住人達【4】

ーヨーロッパ:古城ー

がやがや、がやがや……

作業員「やはりこの部分の配線は露出になりますね。」

ミハイル「うーむ、壁に似た色をぬって誤魔化すしかないな、他の階はどうだ?」

作業員2「ほとんど同じ構造です。」

チコ「殿下、これまでのところ工事に大きな問題はないそうです。」

ミハイル「どう思う?」

ムーン1「いけそですね。」

ミハイル「よし、買わせていただきます。」

役人「おお、それはなにより」

ミハイル「帰国したらただちに送金します。いや、品物は持って帰りますから。」

役人「どうぞどうぞ。まいどありー…………持って帰る?!」

ミハイル「残りの工事を急げ、それから子の国に大使館はあるか?」

ムーン1「数名働いている出張所ならあります。」

ミハイル「誰でもいいからひとり呼び出せ」

ムーン1「どうするんです?」

ミハイル「ちょうどいいからそいつを客に見立ててホラーキャッスルの予行演習をしよう。」


~~


ムーン「なんだろう、突然一泊する用意をして来いだなんて……あのお城か」

ムーン1「いらっしゃいませ、ご予約のムーンエンドレス号様ですね。」

エンドレス「予約なんかしてないよ」

ムーン1「……ご予約のムーンエンドレス号様ですね。」

エンドレス「予約なんかしてないってば」

ムーン1「……」
ポコッ!
エンドレス「痛い」

ムーン1「殴るぞ」

エンドレス「殴ってから言うななぐってから」

ムーン1「空気を読め、殿下のアイデアでこのお城をホテルにするんだ。」

エンドレス「あ、宿泊客という設定?」

ムーン1「それぐらい言われる前に見当つけんか、このアランケソは」

エンドレス「確かに予約しました。」

ムーン1「お待ちしておりました、アランケソさま。どうぞこちらへお部屋までご案内いたします。」

エンドレス「あっそう」

ムーン1「足元にお気をつけください。」

エンドレス「おーい、ホテルにしちゃえらく荒れ果ててるな。」

ムーン1「急なことで全体までは手が回らなかったんだ。でも君が止まる部分はちゃんと仕掛けがいやその……ちゃんとなってるから大丈夫」

エンドレス「ふーん」


~~

チコ「エンドレス号さんが部屋に入りました」

ミハイル「そうか」

チコ「今ウェルカムドリンクの冷やし甘酒を飲んでます。」

ミハイル「ドリンクメニューは考えた方が良さそうだな。」
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