ー日常ー街の住人達【4】
ー南麻生:冬木邸ー
三木野「家のあちこちに消火器があるのに気がついたかね?」
言われてみれば部屋の角や廊下の隅に消火器が満遍なく置かれている。
マリア「そういえば……ずいぶん用心深いですね。」
三木野「そうじゃないよ。悪質な訪問販売だ。」
マリア「はぃ?」
~~
『こんにちはー消防署の方から来ましたー』
夏代『あらあら、どうしました?』
『奥さん今度法律が変わりましてね。家の広さに応じた本数を置かないと消防法に引っかかります。』
~~
三木野「と言って買わされたんだ。5本で20万円だったそうだ。」
マリア「ゲー」
三木野「この部屋を見たまえ」
マリア「羽根布団のセットに圧力鍋、浄水器、健康器具やら漢方薬……色々ありますね。…………もしかしてこれが全部」
三木野「悪徳商法にやられたんだ」
マリア「Oh…」
三木野「私が途中で気づいてクーリングオフをかけたものがあるが大抵の場合は、売り逃げでね。業者を特定すらできない事が多い。彼女には口をすっぱくしていってるんだが、人を信じやすい性格は治らないな。もっとも純粋なところに私も克己も……いやまあなんだねつまりその彼女が立て続けに狙われているのが不思議でね。あくどい連中は金のありそうな家を嗅ぎ分ける特別な能力でも持ってるのかね。」
マリア「そんな才能があったらもっとましな仕事をやってそうですが。」
「ただいま」
三木野「おお、タカシくん早かったね」
タカシ「おじさん。心配になって帰ってきたんですよ。また詐欺師ですって?」
三木野「家政婦さんのおかげで無事だったがね」
マリア「おマリです」
タカシ「母はあの通りの人ですから。……僕がもう少し家にいられるといいんですが。」
三木野「君が忙しいのは知っとるよ」
タカシ「母の様子を見てきます。」
三木野「彼は子供のころから優等生でね。一流大学から一部上場企業に入社して30代前半でもう課長だ。」
マリア「……」
三木野「そんなことよりやはり彼女が心配だ。日当は私が払うから君、明日も来てもらえないかね。」
マリア「…………」
三木野「まずいかね?」
マリア「え、あ、いえ、明日もうかがいます」
三木野「ありがとう、頼んだよ」
マリア「……うーん、引っかかるなぁ。」
三木野「家のあちこちに消火器があるのに気がついたかね?」
言われてみれば部屋の角や廊下の隅に消火器が満遍なく置かれている。
マリア「そういえば……ずいぶん用心深いですね。」
三木野「そうじゃないよ。悪質な訪問販売だ。」
マリア「はぃ?」
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『こんにちはー消防署の方から来ましたー』
夏代『あらあら、どうしました?』
『奥さん今度法律が変わりましてね。家の広さに応じた本数を置かないと消防法に引っかかります。』
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三木野「と言って買わされたんだ。5本で20万円だったそうだ。」
マリア「ゲー」
三木野「この部屋を見たまえ」
マリア「羽根布団のセットに圧力鍋、浄水器、健康器具やら漢方薬……色々ありますね。…………もしかしてこれが全部」
三木野「悪徳商法にやられたんだ」
マリア「Oh…」
三木野「私が途中で気づいてクーリングオフをかけたものがあるが大抵の場合は、売り逃げでね。業者を特定すらできない事が多い。彼女には口をすっぱくしていってるんだが、人を信じやすい性格は治らないな。もっとも純粋なところに私も克己も……いやまあなんだねつまりその彼女が立て続けに狙われているのが不思議でね。あくどい連中は金のありそうな家を嗅ぎ分ける特別な能力でも持ってるのかね。」
マリア「そんな才能があったらもっとましな仕事をやってそうですが。」
「ただいま」
三木野「おお、タカシくん早かったね」
タカシ「おじさん。心配になって帰ってきたんですよ。また詐欺師ですって?」
三木野「家政婦さんのおかげで無事だったがね」
マリア「おマリです」
タカシ「母はあの通りの人ですから。……僕がもう少し家にいられるといいんですが。」
三木野「君が忙しいのは知っとるよ」
タカシ「母の様子を見てきます。」
三木野「彼は子供のころから優等生でね。一流大学から一部上場企業に入社して30代前半でもう課長だ。」
マリア「……」
三木野「そんなことよりやはり彼女が心配だ。日当は私が払うから君、明日も来てもらえないかね。」
マリア「…………」
三木野「まずいかね?」
マリア「え、あ、いえ、明日もうかがいます」
三木野「ありがとう、頼んだよ」
マリア「……うーん、引っかかるなぁ。」