ー日常ー街の住人達【4】

ー小鳥遊邸:玄関前ー

ミハイル「ここだ」

マリア「ああ、冗談じゃなくて本気で悠さんのところに放り込む気ですか」

チコ「色々と最低だ」

ミハイル「たのもー!おーい、たのもー!」

チコ「ダメだ。聞いちゃいない」

ミハイル「おーい!開けろー!あけんかーい!」
ドンドン!

チコ「ちょっと!どつかれますよ!」

ミハイル「はん!何ぼのもんじゃい!」

バロン『ガルルッ。』

ミハイル「……」

バロン『ガブッ!』
ミハイル「ぎゃあぁぁぁっ!」

ミーナ「おー、大きなワンちゃんじゃな」

マリア「おー、腕とかじゃなくて首いきましたよ、首。」

ミーナ「動脈を狙った一撃じゃな」

バロン『ガウッ!ガヴフッ!』
ミハイル「やめろー!離せー!死ぬーーー!」

楓子「玄関先で騒いでいるのはだれですやよ?」

マリア「ああ、すいません。ちょっとナマモノが騒いじゃってて」

バロン『ガジッ!グチャ!ガブシュッ!!』
ミハイル「ぎゃーーー!」

楓子「ああ、なんか大変なことになってますねやよ」

マリア「まぁ、アレはおいといて悠さんいらっしゃいますか?」

悠「居るよ。何の騒ぎでどういう集まりだコレ。」

マリア「かくかくしかじか」

悠「ロマロマサガサガか……とりあえず入るか?」

マリア「お邪魔します」
チコ「お邪魔します」
ミーナ「邪魔するぞい」

バロン『ワオーーーン!』
ゲシゲシッ
ミハイル「……」

悠「バロン、適当にしとけよ」

バロン『ワフッ!』


~~


駒狸「どうぞ、お茶です」

ミーナ「ああ、ありがとうね。おマリちゃん」

駒狸「いえ、私は駒狸です」

ミーナ「おや、おマリじゃなかったかね?」

マリア「おマリはこっちですよ」

ミーナ「あー、こっちかえ」

悠「大丈夫かこの婆ちゃん」

ミーナ「誰が別嬪さんじゃ」

悠「ああ、大丈夫だなしっかりしてるわ。」

チコ「今ので?!」

悠「今のでだ」

ゆうな「お婆ちゃんに見えないね」

ゆえ「おねえさん……」

ミーナ「おうおう、可愛いお嬢ちゃんたちお菓子をあげよう」

ゆうな「わーい!」
ゆえ「わーいなんのおかし……!」

ミーナ「べっこう飴と酢昆布じゃ」

チコ「渋っ」

ゆうな「あまーい!」

ゆえ「ちゅっぱーい……!」

マリア「あまずっぱーい!」

悠「別々に食うのはいいけど一緒に食うのはやめろ。」

ミハイル「は、はぁはぁ、死ぬかと思った」

悠「なんだ生きてたか」

ミハイル「死にかけたわ!」
ぴゅー!

マリア「叫ぶと頸動脈から血が噴き出しますよ」

ミーナ「止血のために首を絞めたほうがよいな」

ミハイル「死んでしまうわい!!」

悠「それでお前の婆ちゃんをうちで預かれと?」

ミハイル「そうだ。無駄に部屋は開いてるだろ」

悠「開いてるけど、色々とおかしくないか?」

ミハイル「うちのばあ様がいると便利だぞ。電化製品とかどんどん増えていくぞ」

悠「信用できない」

ミーナ「ミハイルと違ってちゃんとしたものを作れるぞい」

悠「Ok、部屋を貸そう」

チコ「決定打でしたね」

ミハイル「なっとく出来ん!!」
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