ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダ宮殿ー

ミハイル「……確かなのか?」

ムーン30「みんなで何度もチェックしました。猫の子一匹出ていってないのです。」

ミハイル「そして宮殿の中には?」

ムーン1「絶対確実にいません」

ミハイル「ええっ、おかしいじゃないか出ていってないなら中にいるはず。なのにいないということは……」

チコ「殿下!大広間の片隅にこんなものが!」

ミハイル「なんだ?」

チコ「読んでみてください!」

【子供たちは預かった。明日の正午、ミハイル山の中腹に百万円を置いて直ちに去れ。従わなければ子供たちの命はない。】

ムーン1「ミハイル山といえば!」

ムーン30「妖怪だ!」

ムーン2「そうか妖怪が妖力で誘拐したのか!」

チコ「ど、どうします?!調べますか!」

ミハイル「なんという妖怪の犯行か追及するのは後だ!今は子供たちの安全が最優先だ!」


~~

ーミハイル山:中腹ー

翌日、ミハイルは手紙に書かれた通り、ミハイル山の中腹に100万円の入った封筒を置いて身を隠した。

しばらくすると……。

笠を被った妖怪(?)『……』

封筒を手にすると妖怪らしきものは山の中に消えていった。

それを監視していたミハイルは30分時間を置いて連絡をいれた。

ミハイル「どうなった?」

チコ『子供たちは全員無事、家に戻りました。気がついた時にはミハイル山のふもと付近にいて、その間の事は覚えてないそうです。』

そう聞くと、ミハイルは物陰から飛び出して叫んだ。

ミハイル「よしっ!妖怪たちよく聞け!テロリストまがいの事をする妖怪がいるとは思わなかったぞ!僕から百万円を奪ったのは誰だ!!」

【『(知らぬ)』】

ミハイル「しらばっくれるな!目の前で百万円持ってたじゃないか!」

【『(あれは変装した人間の子供だ。われわれの仲間ではない。)』】

ミハイル「えっ……いや、みえすいた嘘をつくな!」

【『(嘘をつく理由はない)』】


~~


ー常春の国:ミハイル宮殿ー

ミハイル「……」

チコ「あっ、殿下妖怪はどうでした?」

ミハイル「宮殿の見取り図を持ってきてくれ。」

チコ「はっ、はぁ……?」

ミハイル「僕は自分の部屋にいる。早急に頼む」

ムーン1「どうかしたの?」

チコ「あ、殿下が宮殿の見取り図を持ってきて欲しいとのことです」

ムーン1「見取り図?よくわからないけど、分かったよ」
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