ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダ宮殿ー

アラン「ええっ、ダメだよ」

ミハイル「うん?」

アラン「そんなわがまま殿下にお願いできないよ」

ミハイル「アラン君、なにかね?」

アラン「いえ……みんなが今夜泊めていただけないだろうかといってるんです。」

ミハイル「えっ、なぜ」

アラン「偉大なミハイル殿下と同じ宮殿に泊めていただければきっとオーラがちょうだいできてみんな頭が良くなるに違いないと……」

ミハイル「ほー、ほっほーー!」

チコ「悪いオーラしかもらえないと思う」

ミハイル「おい」

チコ「はい」

ミハイル「軍に連絡して野営用の簡易ベットを人数分届けさせろ」

チコ「本気ですか…」

ミハイル「もちろんだ。急げ」

ムーン1「はい」

ミハイル「みんな泊めてやるぞ」

「「わーー!」」
「「殿下ありがとうございますっ!」」
「「本当になんて優しい王様だろう!」」

ミハイル「いやいやいやいやぁーっははははっ!」


~~


チコ「っで、ベッドが大広場に運び込まれましたけど」

子供A「とりゃー!」
子供B「えーい!」

飛び交う枕…

子供C「1組と2組で対抗戦だー!」

「「「わーー!!」」」

アラン「おい!みんな静かにしないか!」

チコ「まるで修学旅行ですね。」

ミハイル「まあまあ子供たちのやることだ大目に見てやれ。」

ひとしきり騒いで夜の十時就寝……そして真夜中

ムーン30「殿下、殿下、起きてください」

ミハイル「む……なんだ今何時だ」

チコ「夜中の一時です」

ミハイル「一時だと~~~~?つまらん理由で起こしたのならただじゃおかんぞ」

チコ「今夜、私たちが夜番で見回りを始めたんですが」

ムーン30「子供たちが居ないんです。」

ミハイル「……え?」

チコ「大広間が空っぽでだれ一人いないんです。」

ミハイル「もしかして……みんなでかくれんぼでもしてるんじゃないか?」

ムーン30「こんな夜中にですか?」

ミハイル「子供の事だ。面白いと思ったら何を始めるかわかるもんか。みんな起こして探してみろ。」

ムーン30「はっ!」

それから一時間後……

ムーン30「やっぱりいません」

ムーン1「天井裏から床下収納庫まで調べましたが誰も見つかりませんでした。」

ミハイル「うーむ、あっそうか。もしかしたら夜中に寂しくなって、皆で家に帰ったのかもしれない」

ムーン「その可能性も考えて監視カメラの映像をチェックしました。正面玄関からその他の出入り口、窓も含めて誰も緋斗理も出ていっていません。」
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