ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダー

ミハイル「と、いうわけで当たりが続いている。」

ムーン1「へぇー」

チコ「どういう現象なんでしょう」

ミハイル「あたり運がついたということなのか原因はわからんがとにかく僕は「あたる」体質になったのだ」

チコ「原因を調べたりとかは?」

ミハイル「もちろん、しない」

チコ「ですよね……」

ムーン1「よろしいのですか?」

ミハイル「よろしいもなにも、今日は夕方から大きな商談がある。このままいったら大当たり間違いなしだ。そう思ったら」

チコ「思ったら?」

ミハイル「嬉しくて嬉しくて、ワッハッハッ」

ムーン1「そううまくいくといいですが。」

ミハイル「まかせとけ!」


~~


チコ「そろそろ帰ってく……」

ミハイル「大あたりだーーーー!!」

チコ「来た…」

ミハイル「ものすごく大きな商談をものすごく有利な条件でまとめた!!めでたいから今夜は皆にご馳走してやるぞ!」

「「「「うおおぉぉぉっ!!」」」」

チコ「大喜びだわ…」

ムーン25「でも殿下は食べないほうがいいですね。」

ミハイル「えっ、なぜ」

ムーン25「そんなにあたり続けているのなら食べ物にもあたるかも知れません」

ミハイル「……食あたりか可能性は大いにあるな。ごちそうはやめだ」

「「「余計なことをいいおってーーー!!」」」

ムーン25「ぎゃー!」

チコ「醜い争いだわ…」


~次の日の夜~

ゲゲゲグーーーギュルルルギュルギュルルル!!

ムーン1「うるさいなぁ。何の音だ」

チコ「あっちから聞こえますね」

ミハイル「……」
ギュルルルグーーールルル!

ムーン1「殿下?!」

ミハイル「食あたりが怖くてきのうから何も食べてないんだ~腹が減って目がまわるこのままじゃ持たんぞ~」

チコ「でも食べたらあたりますよ」

ミハイル「どうだろう、予防のために薬を飲みながら食べてみたら」

ムーン1「ダメですよ。薬にあたったら食あたりよりもえらいことになりますよ。」

ミハイル「じゃあどうするんだ。このままずっと食べずにいたら死んでしまうじゃないか」

チコ「大丈夫ですよ。人間外の殿下の事だから2.3年食べなくても平気です。」

ムーン1「そういえばあったなどこかで研究のために飼われてた蛇」

チコ「へび?」

ムーン1「2年間水も食料も与えられなかったんだよ。2年間飲まず食わずで体長が半分以下になったのに、それでも人間が近づくと牙をむいて攻撃しようとしたそうな。」

チコ「蛇の生命力と根性はすごいですね。」

ムーン1「ということは、2年間食べずにいたら殿下も半分以下になるのかな」

チコ「面白い。実験してみましょうか」

ミハイル「ダメだ。誰も真面目に考えていない。」
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