ー日常ー街の住人達【4】

ー池袋:商店街ー

マリア「すいませーん、ウサギにやりたいので野菜くずもらえませんか?」

八百屋「どうぞ」

~~

マリア「すいませーん、ペットのベンガルヤマネコにやりたいので魚のアラをもらえませんか?」

魚屋「変な物飼ってるな。いいよ持ってきな」

~~

昨日買った七輪に鍋をかけて公園の水を沸かして野菜くずと魚のアラ煮込んでいく。

マリア「本日の一品、アラ汁です。タダです。」

鮫島「おお、美味い美味い。」

マリア「よかったです。」

鮫島「見ろ、アラとは言いながらまだこんなに身がついている。こんな脂の乗った魚を食うのは久しぶりじゃ。」

マリア「いつもは煮干しですからねぇ」


~~

さらに次の日、都心のデパ地下

店員「試食いかがですか?」

マリア「いただいていいですか?」

店員「どうぞ、ご試食ください。」

マリア「あっ!!」

店員「えっ!?」

店員が後ろを向いた隙に試食のチーズを袋にすべて放り込む。

マリア「っあっあーあやんなっちゃった♪」

店員「えっ?えっ?」

ということを繰り返して……

~~


マリア「ソーセージにハムチーズにテリーヌ全部タダです」

鮫島「うまいうまいぞーっ!!なんじゃな、この分だと近々免許皆伝じゃな」

マリア「おそれいります」

鮫島「うまいーー!うっ!?」

マリア「お師匠様どうなさいました!!」

鮫島「腹が痛い!死にそうじゃ!」

マリア「たいへん!すぐ救急車を!」

鮫島「待て救急車は金をとるのか!」

マリア「タダです!」

鮫島「すぐ呼べ!」

マリア「もしもし119番!!」


~~


医者「食あたりですね。粗食だったのが急に脂っこいものを食べたから。」

マリア「命に別状は?」

医者「大丈夫ですよ。しかし気になるのは」

マリア「え?」

医者「先ほど触診した時感じた腹部のしこり、できれば入院して検査した方が良いのですが」

マリア「ぜひ入院を!」

医者「ただ入院するといっても大部屋もふたり部屋も満室で、あいてるのは保険のきかない一日30万の特別デラックスエグゼクティブ個室しかないのですが……払えますか?」

マリア「待ってください。オゼゼを持ってるか調べてきます。」

~~

医者「どうでした?」

マリア「大丈夫です!倹約家だけあって一億近くもため込んでいました、あのジジイいやお師匠様!」

医者「よし、入院の用意」
52/100ページ
スキ