ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダ宮殿ー

チコ「殿下」

ミハイル「うるさいぞ。僕が決めたことは絶対だ。」

チコ「いえ、そうじゃなくて……静かすぎません?」

ミハイル「そういえばずいぶん静かに……」
チラッ

コーラス号「(♪~♪~♪~)」

「「「ホヤ~ッ」」」

チコ「糸電話で歌を聞いてる……」

ミハイル「わかっとらんじゃないか!歌うなといったら歌うな!仕事をするんだ仕事を!」

ムーン10「このっ!」
パーン!
ミハイル「ぐふぁっ!」

ムーン10「仕事仕事いってるとひっぱたきますよ!!」

ミハイル「ひっぱたいてから言うな!」

ムーン11「休憩時間にテレビを見るのもゲームをやるのも禁止されて僕たちは娯楽に飢えてるんです!」

ムーン12「せめてコーラス号の歌ぐらい聞かせてください!さもないとっ!」
ブンッ

ミハイル「うわあぁぁ!」
ダダダッ

~~

チコ「大丈夫ですか?」

ミハイル「まずい、ぼくを叩くなんてムーンたちは本気だ」

チコ「そりゃ電気代がもったいないからってテレビもゲームもパソコンも禁止したらうっぷんもたまりますよ。」

ミハイル「確かにこのうえコーラス号の歌まで禁止したら一揆でも起こされかねない……が、しかし仕事が遅れるのも困るし、どうしたら…………おお!そうだ!」

チコ「また余計なことを思いつきましたね。」

ミハイル「やかましい。コーラス号が自発的に歌わなくなればいいのだ。ははははっ。」

チコ「自発的に?」

~その日の真夜中~

コーラス号「すぅすぅ……」

『の……お前の……声が……欲しい』
シュー

コーラス号「えっ?!何だろう、今の声は……?


~~

ムーン10「コーラス号、今日も歌を頼むよ」

コーラス号「え、ああ、うん。♪~♪~」

ムーン11「やっぱり、いい声だ」

ムーン12「ほれぼれする」

コーラス号「♪~♪~(なんだか声が出しにくい)」


しかし、その日から毎晩『声が欲しい』という声に毎晩悩まされ、一週間過ぎると……。


ミハイル「そろそろかな……」

コーラス号「ぜぇぜぇ……」

ムーン9「あれ、コーラス号どうしたんだ?」

コーラス号「……えが……ないんだ。」

ムーン10「えっ、声が出ない!?」

ムーン11「どういうことだ!」

ミハイル「ボイスレコーダーで不気味な声を聞かせ小さなガス発生装置で喉を傷めるガスを吸わせる。上々だな」
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