ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダ宮殿ー

ミハイル「いやー、たまにはこうして散歩すると清々しいな」

チコ「ただ仕事から逃走してるだけ」

ミハイル「いい天気だ」

チコ「聞きやしねぇ……あれ?」

♪~♪~
♪~♪~♪~♪

ミハイル「歌か。誰が歌ってるんだ?」

ムーン「♪~♪~♪~」

庭木の刈り込みをしながら歌っていたのはムーン隊の誰かだった。

ミハイル「おや、ムーンか」

ムーン「おや、殿下とチコちゃん」

チコ「綺麗な歌声ですね。」

ミハイル「確かに女性が歌っているのかと思った。」

ムーン「恐れ入ります。」

ミハイル「しかし、歌が得意なムーンなんかいたっけか?」

コーラス号「あのー、先日エメラダ市役所文化振興課からムーン部隊に配属になりましたムーンコーラス号です。」

チコ「というか、このあいだ挨拶に来てましたよ。」

コーラス号「はい、役所では合唱団の指導をしていました。」

ミハイル「どうりで上手いわけだ。」

コーラス号「どうも、すみません」

ミハイル「ん?」

コーラス号「仕事中に歌なんかを……」

ミハイル「ひとの迷惑になるわけじゃない。別に構わんぞ」

コーラス号「ほっ」


~次の日~


ミハイル「楽してオゼゼを儲ける方法はないだろうか」

チコ「ないです」

♪~♪~♪~

ミハイル「またか」

コーラス号「♪~♪~♪~」

ムーン12「綺麗な声だな」

ムーン13「ああホントに」

コーラス号「ふうっ。お粗末さまでした。」

パチパチパチパチ!

ムーン10「すばらしい!」

ムーン12「心が癒される。」

ムーン11「もう一曲頼む」
!
ミハイル「コラ、コーラス号」

コーラス号「あっ」

ミハイル「今は勤務中だぞ」

コーラス号「えっでも」

ミハイル「歌っても構わんとは言ったが、皆を見ろ聞きほれて仕事をしてないじゃないか。仕事の邪魔になる歌うのをやめろ。」

チコ「仕事を一番邪魔してるひとのセリフとは思えない」

「「「殿下そんなぁ!」」」

ミハイル「勤務時間外なら歌っても構わん」

ムーン10「仕事中だからこそ心の休まるときが必要なんです!」

ムーン11「殿下お願いです!!」

ミハイル「ダメだ!歌ってはいかん!国王命令だ!」

「「「そんなぁぁ」」」

ミハイル「わかったな!」

チコ「なにもそこまでいわなくても」

ミハイル「これぐらいでいいんだ!」
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