ー日常ー街の住人達【4】

ー居酒屋:三日月ー

拳二「ふー……あ、タバコ吸うぞ」

悠「そういうのは吸う前に言え。そして消せ」

拳二「一本ぐらいいだろ」

悠「一本で済まないから一本目から許可しないんだよ。プッ」
ジュッ
拳二「あ、テメ!」

崇「唾を吐いて火を消すのもどうなんだろうな」

悠「唾じゃない水だ」

氷室「鉄砲魚みたいですね。」

拳二「まだ、ほとんどすってねーのに」

崇「ひと息で半分吸ってるだろ」

氷室「半分吸ってほとんど吸ってないだと満足するまで吸うのにどのぐらいかかるんでしょうね。」

拳二「5本かな」

崇「いっそもう五本まとめて吸うといい」

悠「いや、吸うな」

拳二「昔はやってたが……なんか身体に悪そうな気がしてな」

氷室「やっていたのですね。」

悠「いや、結局五本吸ったら同じだろ」

拳二「あと一時、葉巻もやってたんだが俺ぁ紙巻きのがいいな」

悠「危ない薬の話か」

拳二「やってねーよ」

悠「やってないのに脳みそスカスカなんだな」

拳二「ハッハッハ」
バチン!
悠「いてぇっ!」

崇「静かにしろ。他の客に迷惑だろ」

氷室「私たち以外、いらっしゃいませんけどね。」

悠「正確に言うと拳二のせいで出ていった」

拳二「俺ぁのせいかよ!!」

悠「うん。だってお前が入ってきてからみんなそそくさと出ていったじゃん」

拳二「ちげーだろ」

崇「後から客が入って来て、お前の顔を見て入るのをやめたのは事実だけどな」

拳二「……ふー!」

悠「だから吸うなよ!」

恵瑠「お刺身の船盛おまちどうです」
ドンッ!

拳二「おー、来た来た」

氷室「よく船なんてありますね」

拳二「俺ぁが用意した」

崇「顔の割にマメなことだ」

凛「お魚も拳二さんが釣ってきてくださったものですよ」

悠「お前、なんか釣よくいってるよな」

拳二「なるべく家に帰りたくなくてな」

氷室「一人でいるのが寂しいのですか?」

拳二「あ?」

氷室「え?誰かといっしょですか?」

拳二「あー、いやいや、そうなんだ一人でいるとちょっとな」

崇「釣りにいっても一人は一人だろ」

拳二「外でいるのと家でいるのはちげーんだよ!」

悠「男だったら一人でいる方が気楽だろ」

ゆうな「むしゃむしゃ!」

ゆえ「がっがっ、がっがっ……」

マリア「もぐもぐ、もぐもぐ」

拳二「ところで、容赦なく食ってるそいつらは……」

悠「気のせいだ」

拳二「ガッツリいるだろ!!」
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