ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダー

ムーン1「困ってるんです。」

ミハイル「え、なにが?」

ムーン1「ぼくたち手分けしていろんな仕事をこなしてるんです。」

チコ「お料理当番、夜の見回り当番、事務仕事をする会計当番とかですよね。ご苦労様のです。ホント。」

ミハイル「なにをいっている当たり前だろう働くから給料がもらえるんじゃないか」

ムーン9「安い給料ですが」

ミハイル「体制批判か!!僕が給料を出し渋ってるというのか!僕がケチだというのか!僕がせこいと言うのか!しみったれだというのか!!」

チコ「その通りじゃありませんか」

ミハイル「それはまあおいといて」

ムーン1「殿下のことじゃないんです。困ってるのはヒョーワ号のことなんです。」

ミハイル「ひよわ号?」

ムーン1「ヒョーワ号です」

ムーン9「ひよわ号といっても、間違いではないですが」

ムーン1「ヒョーワ号が仕事をしないので困ってるんす。」

チコ「仕事をしない?」

ミハイル「さぼるのか?」

ムーン9「さぼってるわけではありません。」

ミハイル「サボらないのに仕事をしないって、どーゆーことだ」

ムーン9「どーゆー事だと思います?」

ミハイル「コラ、クイズをやってるんじゃないぞ。分かるようにせつめいしろ。」

ムーン1「要するに向いてないんです」

ミハイル「何に」

ムーン1「仕事に」

ミハイル「なぜ」

ムーン9「なぜだと思います?」

ミハイル「おちょくっとんのか!!」
ボカボカ!
ムーン9「ぎゃーーー!」

ミハイル「話が進まん!サクサク説明しろ!」

ムーン9「早い話が!」

ミハイル「本当に早いんだろうな?遅かったら三枚におろして酢味噌で食っちまうぞ!!」

ムーン1「きゃーー!」

ムーン9「ヒョーワ号はことごとくダメなんです!」

ミハイル「なにがことごとくダメなんだ!」

ムーン9「なんだと思います?」

ミハイル「ギロチンを用意しろ」

ムーン9「分かりました!説明します!つまりヒョーワ号はお料理当番を命じても」

ヒョーワ号『包丁が怖くてお料理なんてできませーん!』

チコ「え?」

ムーン1「刃物は爪切りさえ怖いんだそうです。」

ムーン9「さらに夜の見回り当番を命じても」

ヒョーワ号『暗いところは足がすくんで歩けないんですー!』

ムーン9「さらにさらに会計当番を命じても」

ヒョーワ号「数字を見ると頭が痛くなって計算なんかできませんー!」

ミハイル「待たんかーーー!なんなんだそいつはなんにもできないじゃないか!どうしてそんな奴がムーンになれたんだ!!」

ムーン1「それがムーン部隊七不思議のひとつなんです」

チコ「あとの六つは?」

ムーン9「聞きたいですか?」

ミハイル「やめい、また話が脱線する」
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