ー日常ー街の住人達【4】

ーグラン略:小百合の部屋ー

マリア「ここら辺の小物も売ってしまいましょう……おや、この写真の切れ端は?」

小百合「はっ……彼と旅行に行った時のものよ」

マリア「彼氏が居るんですか?」

小百合「三年付き合って結婚の約束までしてたけど、振られちゃって」

マリア「……もしかしてブランド品を買いあさるようになったのはそれ以降じゃないですか?」

小百合「そういえば……」

マリア「まぁよろしい。ちょっと行ってきますわ」

小百合「はぁ…………」


~~


ー質屋:恵比寿屋ー

派手な格好の女「男にぃ貢がせたんだけどさぁ、別れたから売りたいのよぉ、高く買って」

店主「ふーん、ほとんど新品ですね。」

派手な格好の女「買ったら興味なくなるといってたから、使ってないんだろうなぁ」

店主「はい?」

派手な格好の女「なんでもないわよぉ、ほーっほほほ」


~~


ーグラン略:小百合の部屋ー

マリア「はい、売ってきましたわ。」
ドサッ!

小百合「……」

マリア「さすがはブランド品300万で売れました。あなたはこれをもってすぐにサラ金に返してきてください。」

小百合「はあ」

マリア「私は銀行と弁護士会に話をつけてきます。」


~~


ー銀行ー

ボロボロの女性「父は酒乱で母は男と駆け落ち!生活苦からお金を借りたけど返せないんですー!このままでは自己破産するしかーーー!うおおぉぉぉんんんっ!!」

銀行員「ま、まあまあ、落ち着いて……」


~~


ーグラン略:小百合の部屋ー

マリア「ああ、疲れましたわ。銀行をはしごしたうえアカデミー賞級の変装と熱演。弁護士会の方は太田黒先生にお願いしよう。小百合さまー?まだ帰ってないのか」

小百合「ただいまー!」

マリア「おかえ……」

小百合「あースッキリしたー!」

上から下まで全身ブランド物を身に着けいくつも紙袋を持っている。

マリア「…………あの小百合さま、300万は?」

小百合「ハッ……使っちゃた」

マリア「お……お……お前はアホかぁぁぁ!!」

小百合「つい頭がボーッとしてっ!!」

マリア「永遠にボーッとさせてやるぅ!」
ボカボカ!
小百合「わーん!家政婦に暴行されたー!」

マリア「やかましい!泣くなー!!」

小百合「あたしなんかもうどうなってもいいのよー!」

マリア「そうはいかない。お宅に派遣されてきた以上、途中で問題を放り出したら私が協会から叱られる。なんとしても借金を返して一件落着してもらわないと、ということはどうしてもあなたにお金を作ってもらいますわ。」

小百合「できることならなんでもするけどなにをしたらいいの!」

マリア「……いいましたね。恥ずかしい思いをしてもらうことになりますが」

小百合「っ……ああ、あたしもチラッと考えなかったわけじゃないけど…やっぱりそれしかないか」

マリア「よろしい。話をつけてから連絡します少し時間がかかるかも知れませんが、待っててください。携帯は返しておきます。私からの電話以外でないように、いいですね。」

小百合「はい……」
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