ー日常ー街の住人達【4】

ー若社長邸宅:室内ー

ばあや「大奥さま、新しい家政婦のおマリでございます」

マリア「おマリです」

大奥さま「ああそう」


~~


ばあや「奥さま、新しい家政婦の……」

奥さま「いちいち挨拶しなくていいわよ」

ばあや「珠子(たまこ)お嬢様、おマリです」

珠子「おばかっ」

ばあや「まあお嬢様ったら」

マリア「ハッハッ、月夜ばかりと思うなよ」

ばあや「三歳児相手に何いちびってんです。来なさい色々と説明するから。」

マリア「ふぁ~い」


~~


ばあや「……とまあ こんな段取りで慣れてきたらお嬢様の送り迎えもしてもらいます。」

マリア「わかりました。ところで小百合さん」

おヨネ「え?あたしゃおヨネだっつーたでしょーが」

マリア「あっ、すいません。吉永小百合さんにそっくりなので」

おヨネ「まぁまあ!ほほっ、若いころは良く間違われたわ」

マリア「エーソーデショートモー。ところで奥さまと大奥さまは上手く言ってないとか」

おヨネ「よく知ってるわね、その通りよ」

マリア「それはまたなんで?」

おヨネ「あたしもよく知らないんだけどさ、いえね、もともと仲の良い方じゃなかったらしいの、そこにお嬢様の事でひと悶着あってね。それで決定的になったらしいのよ」

マリア「なるほど……原因を探る必要があるね。」

おヨネ「なにかいったかい?」

マリア「いえいえ、仕事頑張りまーす♪」

おヨネ「ええ、頑張って頂戴」


~翌日~

マリア「奥さま、朝食の用意ができました」

奥さま「はい」
ガチャ

大奥さま「……」

奥さま「ふんっ!」
バタン!

マリア「奥さま!?」

奥さま「一緒に食事なんかしないといってあるでしょう!なにをやってるの!いくら新入りでももっと気をつけなさいよ!!」

マリア「申し訳ありません!かくなるうえは死んでお詫びを!!」
バッ!

奥さま「きゃああ!おやめなさい!何を包丁なんて持っているの!はなしなさいったら!」

マリア「ううっ…」

奥さま「バカー!この程度のことで死んでどうするの!これから気をつければいいのよ!」

マリア「それではこのおろかなワタクシめを許してくださるのですか!!なんてお優しい!まるで女神のようなかたですー!」

奥さま「いえ、そこまでいわれるようなことでも……」

マリア「こんなお優しいかたがどうして大奥さまとうまく言ってないのか……」
チラッ

奥さま「教えてあげましょうか、その理由を。あれは三年前、娘が生まれた時……」
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