ー日常ー街の住人達

ー小鳥遊邸:裏庭ー

悠「昔の処刑法に土に身体を埋めて頭だけ出してのこぎりで首を挽いていくって言うのがあるんだよ」

後楽「……」

悠「おれはさぅ、基本的には無血主義で平和主義なつもりだから、そんな残酷なことはしたくないんだよ」

後楽「……」

悠「だけどな……おれの財布から金が消えていた揚句、娘たちから小遣いを巻き上げてたとなったら……やるしかないよなぁ。」
ギラッ…

後楽「いや、ホラ捲き上げるとかじゃなくてゲームをより白熱させるためにな。」

悠「やかましいわ。ガキ相手に金掛けさせてる時点でアウト何だよ。しかも、テメーこの賽は何だ!四五六賽じゃねーか!!」

後楽「兄ちゃん、イカサマはバレなきゃイカサマじゃないんだぜ?」

悠「よし、狸鍋だ」
ギラッ…

後楽「OKOK、話しあおう。まずは、話しあおうじゃないか」

悠「既に対話で済む時間じゃなくなったんだよ」

後楽「狸の肉は臭くて食えないぜ?」

悠「大丈夫だ辛味をたっぷりと利かせれば……臭みも消える。最悪ひき肉にして狸麻婆にしてやる。」

後楽「おおっと、こりゃヤベェ。兄ちゃんの目がマジだ。」

真桜「土に埋められた時点でとっくにアウトなの。」

後楽「嬢ちゃーん、助けてくれよー。庭先でスプラッタなことが起っちゃうぞー。」

真桜「お前を助けることに何の得もないなの」

悠「じゃ、首刎ねるぞー。ポロっとじゃなくじわじわギシギシと鋸挽いていくからなー」
ポロっ

後楽「おや、兄ちゃんポロっと何か落ちたぜ。ほらコレ」

コツン……ころころ【超大吉】

悠「おっ、危ない危ない。グローリーダイスが……」

「こにゃにゃちわー!」

悠「むっ……客か。」

「ゆーぅ。遊びきたでー」

悠「ちっ、仕方ない。首を刎ねるのは勘弁しておいてやる。そのかわりしばらく埋まって反省してろ」

後楽「ふー……助かったぁー。けど、このままかぁ……。」

真桜「蟻に集られないようにななの」





ー小鳥遊邸:庭ー

海「ゆーぅ?居らんのー?」

悠「居るよ。」

海「あっ!居った……って、鋸やもってなんしとるん?」

悠「あー……日曜大工?」

海「今日は日曜ちゃうやん」

悠「ちょっと作業してたんだよ。何か用か?」

海「ん、あんなー。遊びに来たんやけどちょっとお願いあんねん」

悠「お願い?」

海「うん、しゅりねーちゃん」

しゅり「こんにちは、おじゃましてます」

悠「あ、どうも。こんにちは……最近の小学生は発育抜群過ぎるな」

海「どうみても小学生とちゃうやろ」

悠「あれ、よくよく見ればウチの制服じゃん。」

しゅり「えーと……あの、私、しゅりです。一年の」

悠「んー……ああ!」

しゅり「思い出してくれましたか」

悠「いや、タッパだけは思い出した」

しゅり「えぇ…」

悠「っか、随分と汚れてるな。制服。ついでに海も……」

海「そーなんよ」

悠「自販機に小銭でも落して、隙間に手を突っ込むも取れなくて、その人に頼んで取ってもらおうとして同じように隙間に手を突っ込んでるうちに服が汚れたから、どうにかしてほしいと?」

海「なんでわかったん?!」
33/100ページ
スキ