ー日常ー街の住人達【4】
ー東京世田谷:高級住宅街ー
マリア「さっ、どうぞこちらへ」
まゆみ「……」
あけみ「……」
ともみ「……」
マリア「だんな様はすぐにいらっしゃいます。その前に本日お二人の秘書さんとプライベートなご友人おひとりに来ていただいた事情を説明させていただきます。」
まゆみ「(ああ、この人たち秘書なんだわ)」
あけみ「(ああ、この人たち秘書なんだわ)」
ともみ「(ああ、この人たち秘書なんだわ)」
マリア「秘書さんはもちろんご存知ですが、旦那様の会社は現在新しい画期的な胃散(いさん)の開発でアメリカの製薬会社と熾烈な競争を続けています。」
まゆみ「……」
あけみ「……」
ともみ「……」
マリア「よろしいですか胃散の開発で強大な相手と戦っているのです。胃散で強大なのです。では、少々お待ちください」
旦那「おマリ、さっきからチャイムが鳴っているようだがお客様かい」
マリア「たぶん旦那様の……と思うんですがとりあえず応接室に」
旦那「ええっ?いったい……まゆみにあけみにともみなななななぜ3人そろって?!」
奥さま「なあに?」
旦那「ぐぇっ」
マリア「あ、魂が抜けかけてる。なんとかしますから話をあわせてください。」
旦那「ぐっんん」
マリア「ここだけの話ですが奥様は旦那様に悪い癖があると思ってらっしゃいますね。例えばあそこに3人の女性がいらっしゃいます」
奥さま「まっなによあの女たち!」
マリア「旦那様は奥さまに内緒で彼女たちとあってました」
奥さま「なんですって!」
旦那「おい!」
マリア「しかしそれは」
奥さま「あなたー!」
旦那「わー!」
マリア「しかしそれは」
奥さま「しょーこりもなくまたあんな女たちと!」
旦那「いや、だから!」
マリア「ええい、聞けー!しかしそれは、奥様が考えるように女癖が悪いとか下半身に節操がないとか変態色魔だとかいうのではなく!!」
旦那「こっちにこたえてるじゃないか!!」
マリア「奥様のためなのです!早い話があの三人はなくなった大旦那様の隠し子で奥さまのご姉妹(きょうだい)なのです!」
奥さま「ええっ!!」
マリア「それぞれ母親の違う三人は結託して遺産請求の訴訟を起こすべく画策したのですがそれに気づいた旦那様は奥さまを守るため彼女たちと交渉を続けていたのです。その証拠に!皆さん!「きょうだい」ですよね!」
まゆみ「ええ」
マリア「「いさん」が問題ですよね!」
あけみ「はい」
ともみ「ええ」
マリア「お聞きの通りです。交渉して値切りに値切った結果一人一千万円ずつで手を打つことになりましたそうですよね。旦那さま。」
奥さま「そうなの?!」
旦那「もちろん!」
奥さま「三千万で済むなら安いものだわ。待ってて金庫からとってくるわ」
~~
マリア「というわけで旦那様は単身アメリカに渡り敵会社と戦うことになりました。何年かかるかわかりませんから皆さんとはお別れです。これは退職金とお別れのプレゼントです。」
まゆみ「(まあ、そーゆー事情なら)」
あけみ「(どうせお金目的だったし)」
ともみ「(ちょうどよかったわ)」
これにて一件落着。熾烈な体験をした旦那さんは金輪際浮気なんかするものかと心に誓い。
ご主人が自分のために活動していたと信じた奥様はハッピーハッピー。
そしてマリアは……
ばあや「えっ、もうやめちゃうのかい?」
マリア「一千万の札束から三万ずつ抜き取った9万円とだんな様からいただいたチップたった二日でこんなに稼いだのは初めてです。よそへ行ってこの調子で設けて借金を返します!」
ばあや「がんばってね」
こうして次の働き口へと向かうのです。
マリア「さっ、どうぞこちらへ」
まゆみ「……」
あけみ「……」
ともみ「……」
マリア「だんな様はすぐにいらっしゃいます。その前に本日お二人の秘書さんとプライベートなご友人おひとりに来ていただいた事情を説明させていただきます。」
まゆみ「(ああ、この人たち秘書なんだわ)」
あけみ「(ああ、この人たち秘書なんだわ)」
ともみ「(ああ、この人たち秘書なんだわ)」
マリア「秘書さんはもちろんご存知ですが、旦那様の会社は現在新しい画期的な胃散(いさん)の開発でアメリカの製薬会社と熾烈な競争を続けています。」
まゆみ「……」
あけみ「……」
ともみ「……」
マリア「よろしいですか胃散の開発で強大な相手と戦っているのです。胃散で強大なのです。では、少々お待ちください」
旦那「おマリ、さっきからチャイムが鳴っているようだがお客様かい」
マリア「たぶん旦那様の……と思うんですがとりあえず応接室に」
旦那「ええっ?いったい……まゆみにあけみにともみなななななぜ3人そろって?!」
奥さま「なあに?」
旦那「ぐぇっ」
マリア「あ、魂が抜けかけてる。なんとかしますから話をあわせてください。」
旦那「ぐっんん」
マリア「ここだけの話ですが奥様は旦那様に悪い癖があると思ってらっしゃいますね。例えばあそこに3人の女性がいらっしゃいます」
奥さま「まっなによあの女たち!」
マリア「旦那様は奥さまに内緒で彼女たちとあってました」
奥さま「なんですって!」
旦那「おい!」
マリア「しかしそれは」
奥さま「あなたー!」
旦那「わー!」
マリア「しかしそれは」
奥さま「しょーこりもなくまたあんな女たちと!」
旦那「いや、だから!」
マリア「ええい、聞けー!しかしそれは、奥様が考えるように女癖が悪いとか下半身に節操がないとか変態色魔だとかいうのではなく!!」
旦那「こっちにこたえてるじゃないか!!」
マリア「奥様のためなのです!早い話があの三人はなくなった大旦那様の隠し子で奥さまのご姉妹(きょうだい)なのです!」
奥さま「ええっ!!」
マリア「それぞれ母親の違う三人は結託して遺産請求の訴訟を起こすべく画策したのですがそれに気づいた旦那様は奥さまを守るため彼女たちと交渉を続けていたのです。その証拠に!皆さん!「きょうだい」ですよね!」
まゆみ「ええ」
マリア「「いさん」が問題ですよね!」
あけみ「はい」
ともみ「ええ」
マリア「お聞きの通りです。交渉して値切りに値切った結果一人一千万円ずつで手を打つことになりましたそうですよね。旦那さま。」
奥さま「そうなの?!」
旦那「もちろん!」
奥さま「三千万で済むなら安いものだわ。待ってて金庫からとってくるわ」
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マリア「というわけで旦那様は単身アメリカに渡り敵会社と戦うことになりました。何年かかるかわかりませんから皆さんとはお別れです。これは退職金とお別れのプレゼントです。」
まゆみ「(まあ、そーゆー事情なら)」
あけみ「(どうせお金目的だったし)」
ともみ「(ちょうどよかったわ)」
これにて一件落着。熾烈な体験をした旦那さんは金輪際浮気なんかするものかと心に誓い。
ご主人が自分のために活動していたと信じた奥様はハッピーハッピー。
そしてマリアは……
ばあや「えっ、もうやめちゃうのかい?」
マリア「一千万の札束から三万ずつ抜き取った9万円とだんな様からいただいたチップたった二日でこんなに稼いだのは初めてです。よそへ行ってこの調子で設けて借金を返します!」
ばあや「がんばってね」
こうして次の働き口へと向かうのです。