ー日常ー街の住人達【4】

ーエメラダ宮殿:図書室ー

ビー!

ムーン「はい?もしもし」

ミハイル『今週の図書室係はだれだ』

スピリチュアル「スピリチュアル号です。殿下」

ミハイル『長いなスピリ号でいいだろう』

スピリ号「はぁ」

ミハイル『ちょっと来てくれ』


~~


スピリ号「なんですかぁ?」

ミハイル「そこに先週借りた本が置いてある。図書室に戻しておいてくれ」

スピリ号「えー、ご自分で帰せばいいじゃありませんか」

ミハイル「僕は忙しい」

スピリ号「何かやっているようには見えませんが」

ミハイル「これから昼寝するんだ」

スピリ号「なにを言っても無駄か……」

ミハイル「なにかいったか?」

スピリ号「片付けに行ってきます」

ミハイル「こもろ~」

スピリ号「なんなんだ……っというか、殿下はいったいどんな本を読んでたんだろう。なになに、ホントは怖い兎と亀……ええっ、兎と亀の何が……ふむふむ、ふむ……えっ、こわぁっ!」

チコ「どうかしたんですか?」

スピリ号「うわっ?!」

チコ「ど、どうかしました?」

スピリ号「い、いや、何でもないよ。ええと、たしか君は……」

チコ「萌原チコです」

スピリ号「ああ、まだ帰れてなかったんだね」

チコ「はい……。自力で着帰ろうにもお金も何もないので……殿下の気分次第という……」

スピリ号「同情するよ」

チコ「はぁ……」

スピリ号「あの娘も大変だなぁ。それにしてもこんな話読むんじゃなかった。夢に出てきそうだ。さっさと本を返してしまおう……ええと、これはこっちで、ん奥の方に一冊……なんだこの真っ黒の本は……」

【これは占いの本です。一日一回好きなページを開くと素敵なアドバイスがもらえます。】

スピリ号「好きなページ……」
ペラッ
【今日は雨です】

ムーン1「行ってきまーす」

スピリ号「外出?」

ムーン1「うん、商談にね」

スピリ号「……雨が降るかも知れないから傘を持っていった方がいいよ」

ムーン1「え?今日は晴天なのに……何を言ってるんだか」


~~

ミハイル「まったく、急に雨などふりおって気持ちよく昼寝できないじゃないか」

チコ「寝てるなら私を帰してくださいよ!」

ミハイル「僕は忙しい」

チコ「寝てたでしょーが!!」

スピリ号「ほんとに降ってきた……」

ムーン1「ただいまー。ずぶぬれだよ」

スピリ号「ねっ?」

ムーン1「ふんっ」
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