ー日常ー街の住人達【4】

ーミハイル宮殿ー

ミハイル「部屋に入るどうした?」

チコ「しーはい、それが……」

~~

占い師『自分でいうのもなんですが、私は世界各国の要人から政治や経済その他あらゆる相談を受ける占い師です。このところ忙しかったので休養のため気候の良いエメラダにやってきました。』

テイタン『この国は常春ですから』

チコ『この国の王様の頭もね』

占い師『先日たまたま散歩をしていたら林の中でひとりの少年を見かけ。おお、この少年こそいずれは世界のリーダーになる人物だと直感したのです。』

テイタン『世界のリーダー!?』


~~

ムーン1「世界の……」

ムーン2「リーダー?!」

チコ「さらに、占い師はつづけました。」

~~

占い師『世界を救う英雄といってもよろしいちょっと調べたら彼が国王陛下だと分かったので、直感を確かめるため偶然を装い、林の中で閣下に3度会いましたところ……直感は確信に変わりました遠い将来、閣下は間違いなく世界で最も偉大な人物と呼ばれるようにな音でしょう』

~~

ムーン1「殿下が?!」

ムーン2「まさか、信じられない!!」

ミハイル「なにを騒いでる」

チコ「今の話ですよ!!」

ミハイル「ああ、キャンディーに夢中で聞いてなかった」

ムーン1「ですから!かくかくしかじかで!」

ミハイル「いやだーーー!世界のリーダー何かになったらものすごい責任をしょいこむことになるーーー!」

ムーン1「まぁ、そうでしょうね」

ミハイル「そんな重苦しい運命は願い下げだ占い師を呼べ!」

占い師「お呼びでしょうか」

ミハイル「リーダーにも偉大な人物にもなりたくない!!」

占い師「これはこれは純粋で高潔で常に他者に対して犠牲的精神を発揮する閣下の言葉とも思えない」

チコ「は?」

テイタン「誰のことだ?」

ミハイル「とにかく重い責任なんてまっぴらだ!どうしたらリーダー何かにならずに済むか教えろ!教えないと反逆罪で逮捕するぞ!」

占い師「これはまた閣下の言葉とは思えません。なぜ偉大な閣下がそのようなことをおっしゃるのか……困りました」

ミハイル「困ってる暇に教えろ!」

占い師「お伝えしたくはないが……やむをえません。もちろん運命は帰ることが可能です。閣下が駄目な人間になればよろしい。」

ミハイル「え?」

占い師「努力して駄目でどうしようもなくて品性下劣で自堕落な人間になれば当然リーダーの資格はなくなります」

チコ「ダメ人間ていうと例えば?」

占い師「例えばがめつくて強欲で細かいお金にこだわって、朝から晩までだらしなく食べ続けて病気になってひとの迷惑を顧みない強烈なイタズラなどをする人間の事です」

「「「……」」」

チコ「そういう人間ですが?」

占い師「そんなはずがない」

チコ「ケチでセコくてがめつくて小銭大好きで一日中食べてて病気持ちで命にかかわるイタズラを平気でしますよ」

占い師「そっ、そんなはずは!ちょっとお顔を拝見!」

ミハイル「……」

占い師「わっ!この少年は確かに世界のリーダーになるべくして生まれたのだ!だから生まれつき非常に徳の高い守護霊がついて純粋で高潔なオーラで身体を包んだ!オーラがしみ込んで偉大な人物になることを期待した!しかし本人があまりにハチャメチャなためオーラが跳ね返り全く効果が出ていない!私はまわりのオーラを見ていたのだ!助けてくれーっ!こんな奴に関わったらえらいことになるー!」
ダダダッ!

ミハイル「……なんというか、言いたいことをいって逃げ出したな」

チコ「そうですね」

ミハイル「それにしても」

ムーン1「それにしても?」

ミハイル「守護霊なんかに負けてたまるかー!」

油断したらオーラがしみ込んで良い子になってしまうかもしれない、そうなったら僕が僕でなくなると考えたミハイルは、よりミハイルらしく振る舞い始めました。

つまりよりセコく、よりガメつく、より食べて、より暴君に……

ミハイル「働けー!食事抜きで働くんだー!」

「「「「ぎゃーーー!」」」」

チコ「結局何しに出てきたのあの占い師……」
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