ー日常ー街の住人達【4】

ーエメラダ国:宮殿ー

ミハイル「とゆーわけで、財布を拾ったんだ」

チコ「だめですよ、ネコババしちゃ」

ミハイル「何を言うかちゃんと交番に届けたぞ。」

ムーン2「でも、手元にあるじゃないですか」

ミハイル「30分たっても落とし主が現れなかったから合法的に僕のものになったのだ」

チコ「落し物は3か月じゃありませんでしたか?」

ミハイル「こないだ、僕が法律を変えたんだ」

ムーン2「またムチャをする~……」

ミハイル「なんにしても気分がいい。あはははっ!」

チコ「なんてだかなぁ。」


~~


次の日も散歩です。

ミハイル「なんだかおなかすいたなー。昼食の時、ごはんをドンブリ8杯しか食べなかったからな」

占い師「また会いましたね」

ミハイル「あ、昨日はどうも」

占い師「おお、引き続き吉相が出ている」

ミハイル「え?」

占い師「今日は南に向かわれるとよろしいでしょう。失礼」

ミハイル「南というとこっちか……ん、あれは?」


~~


チコ「それで?」

ミハイル「岩の上にコンビニの袋が落ちてたのだ」

ムーン1「それって落ちてたというより置いてあったんじゃないんですか」

ミハイル「周りには誰もいなかったぞ。中にはおにぎりやサンドイッチが入ってたからありがたくいただいたのだ」

チコ「いよいよネコババですね」

ムーン1「でも食べ物じゃあ交番に届けてもな」

ムーン2「お巡りさんも困るかな」

ミハイル「財布は拾うわ食べ物にはありつくわ。まったく占い師様様だ。明日も楽しみだな。ハッハッハッ」

チコ「どう思います?」

ムーン1「うん?」

チコ「財布も食べ物も占い師が自分で用意できるものですよね」

ムーン2「どういうことかな?」

チコ「だから、こんなことを何度か繰り返して殿下にあいつの占いは当たると思わせて、信用させてから最後に幸運のツボかなにか買わせる作戦じゃないでしょうか」

ムーン1「なるほど、あり得るな」

ムーン2「ちょっと待った。財布はともかく食べ物はどーゆーことだ。どうして殿下がおなかをすかせてるのを知ってたんだ?」

チコ「可能性ですが、殿下がおなかをグーグー鳴らしながら歩いていたとか?」

ムーン1「陰からそれを見ていた占い師がコンビニへ走って食べ物を買い先回りしておいたと……いよいよ占い師でなく詐欺師だな」

チコ「どうします?」

ムーン1「殿下をお守りするのが我々の仕事だ。明日殿下の散歩にこっそりついて行って自称占い師の化けの皮をはいでやろう。」

チコ「なんかドキドキしてきた」
7/100ページ
スキ