ー日常ー街の住人達【4】

ー常春の国:エメラダ宮殿ー

チコ「それで私はいつかえれるの?」

ミハイル「すぐに帰りたいなら音速戦闘機ファントムで送ってやる。」

チコ「戦闘機って……」

ムーン1「ダメですよ」

ミハイル「なぜだ」

ムーン1「なぜって、つい先日もアレの飛行テストでパイロットが鼻血出して気を失ってあわや大惨事になるところだったじゃないですか」

ミハイル「ああ、そうだったかな?」

ムーン1「おかげで空軍のテストパイロットが全員病院送りになったって大問題になったのもお忘れですか?」

ミハイル「僕は都合の悪いことは忘れるようになってる」

チコ「性質が悪い」

ムーン1「今更です。」

ミハイル「なにかいったか?」

ムーン1「今、皿がブームといいました」

ミハイル「変わったものが流行っているんだな」

ムーン1「そりゃまぁ、国王が変人ですし」

ゴッ!ドッ!ガッ!グシャ!

ミハイル「そのうち適当に帰してやるから、しばらく宮殿で働け」

チコ「勝手に連れてこられたうえ働けって……」

ムーン2「すみません。こちらでちゃんと早めに航空機を準備しますので」

チコ「ああ、すみません。」

ミハイル「ちょっと散歩にいってる。」

ムーン2「いってらっしゃいませ」

チコ「ひとりで行かせていいんですか?」

ムーン2「殿下を誘拐するもの好きはいませんから」

チコ「ああ、なっとく。」


~~


ー宮殿近くの林ー

ミハイル「たまたま思い付きでウォーキングを始めたが今まで以上に食欲は出るし気分は爽やかになるし、何より金がかからないのがいいな。」

「もしもし」

ミハイル「カメよカメさんよ」

「世界のうちでお前ほど……ちがいます」

ミハイル「変なテンポでのノリツッコミですね。なんですあなた」

占い師「占い師です」

ミハイル「へぇ、何を売らないんです」

占い師「そーでなくて、占いを商売にしているのです」

ミハイル「売らなくて商売になりますか」

占い師「だから……占術(せんじゅつ)です」

ミハイル「戦術というと軍事関係の方?」

占い師「どういえばわかるのかなぁ。占いです占い。星占いとかタロット占いとかあるでしょう」

ミハイル「ああ、あの占いですかそれならそうと早くいってください。僕は察しがいいんですから、ハッハッハッ」

占い師「あなたと話しているとだんだん腹が立ってきますね。まあ、よろしい実はあなたの顔に吉相が見えたので声をかけたのです。」

ミハイル「吉相?」

占い師「ここから東に向かって歩いていくとよいことに出会うでしょう、それでは」

ミハイル「なんなんだ……東奈良もとい、東なら宮殿に向かって歩けばいいわけだ」
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