ー日常ー街の住人達【4】

ー焼肉屋:鉄ー

悠「よう」

がやがや、がやがや

金剛「おう」

悠「やってる?」

がやがや、がやがや

金剛「やってるどころか満席なんだよな」

悠「さすが連休の最後だな」

金剛「それで何人だ?」

悠「おれ、ひとり」

金剛「ひとり?珍しいな」

悠「誰かを連れてくると莫大な費用になるからな」

金剛「なるほど……ひとりか。なら、どうするかな。座敷使うか?」

悠「予約とかはいってんじゃねーの?」

金剛「いいや、そこまでの団体客はいない。ただ」

悠「ただ?」

金剛「摩耶が寝てる」

悠「どーゆーことだ?」

金剛「連休の間、短期のバイトに来ててくれてな。今は休憩中だ」

悠「そうか。また、おれは手籠めにでもしたのかと」

金剛「……」
スッ、グリグリ
悠「痛い、痛い、トングでお顔グリグリしないでぇ」

金剛「で、どうする?」

悠「あー、寝てるところ起こしちゃ悪いから。どっかあいてないか?」

金剛「満席だからなぁ……空いてるのは厨房?」

悠「じやあ、そこでいいや。賄い食べさせてくれ。」

金剛「いいのかよ」

悠「いいよ。っか、勧めたのは金剛じゃん」

金剛「冗談だったんだが」

客「ごちそうさん」

金剛「ああ、毎度ー。よかったな、席開いたぞ」

悠「ああ、なら遠慮なく」

摩耶「遠慮なく」

悠「……おはよう」

摩耶「おはよう」

金剛「起きたのか」

摩耶「よく眠れたよ。手伝いはいろうか?」

金剛「いいや、悠と飯食ってからでいいよ」

悠「じやあ、賄いふたつ」

金剛「お前はなんで賄いに拘ってる」

悠「焼肉屋の賄いって美味そうじゃん」

摩耶「ラーメン屋とかも美味しそうだよね。」

悠「確かに」

金剛「っていうか、摩耶はうちの賄い知ってるだろ」

悠「なに?」

摩耶「いろんなお肉の丼」

悠「なにそれ美味そう。っか、美味いじゃん」

金剛「いや、不味くはないけど使うのはスライスした肉の切れ端とかだから普通に注文してくれた方がいい肉出せるぞ」

悠「いや、賄いの肉丼お願いします」

金剛「いいのならいいけど、摩耶もか?」

摩耶「うん。」

金剛「わかったよ。じゃあ、ちょっと待ってろ」

悠「はーい」

摩耶「はーい」

金剛「なんだかなぁ」

悠「しかし、バイトしてるんだな」

摩耶「忙しいときだけね。僕暇だし」
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