ー日常ー街の住人達

ー廊下ー

りんね「ごめんなさいね。休み時間なのに教室の案内なんて頼んじゃって」

しゅり「慣れてますから。」

りんね「ひとに頼られるタイプなのね。羨ましいわ」

しゅり「羨ましい……ですか?」

りんね「えぇ、ほら、先生は先生じゃない?だからね、人からっていうか生徒から頼られるようになりたいの。」

しゅり「なるほど」

りんね「とかいいながら、瀬川さんに今思いっきり頼ってるんだけどね」

しゅり「(変わった人だと思ってたけど……話してみたら普通だった)」

りんね「とくに頼るっていえば……私の住んでるアパートの隣の男の人なんだけどね。今朝もうっかり階段から転げ落ちて色々と拾ってもらっちゃったの。危うく野良イヌに持っていかれちゃうところだったから大助かりだったわ」

しゅり「(今のは聞かなかったことにしよう)」

悠「学校の自販機ってなんでこういうキワイ飲み物あるんだろうな。ゲルオレンジだってよ」

亮「それを興味本位で買う悠みたいなのがいるからだろ」

悠「あぁ、なるほど……」

りんね「あらっ!」

悠「ぶーっ!」

亮「ぎゃぁぁっ!ゲルが!ゲルがぁ!」

悠「な、なんでアンタが」

しゅり「あ、あのタオルどうぞ」

亮「す、すまん。」

りんね「まぁまぁ、悠君。ここの生徒さんだったのね。今日から私もここで働くのよ。よろしくしてね。」

悠「いや、ダメだろ。二回言うけど駄目だろ。」

りんね「大丈夫よ。先生、英語は完璧なんだから」

悠「いや、問題はそこじゃなくて……」

りんね「あっ、ごめんなさい。いまちょっと急いでるから、またあとでね。瀬川さん?」

亮「タオルは洗って返すから」

しゅり「はい、分かりました。一年の瀬川しゅりです」

亮「覚えとくよ。それじゃ」

悠「へー、おれよりタッパあるな。女にタッパで負けるのはリッカ以来か」

亮「お前も十分でかいけどな」

悠「いやいや、せめて金剛くらいでかくないと……」

亮「骨延長手術でも受けたらどうだ」

悠「柳にいったらマジでされるからやめてくれ。」

りんね「そっか、悠君がいたのね此処。だから、メフィ先生が推薦してくださったのかしら」

しゅり「お知り合いなんですか?」

りんね「えぇ、色々とね。名前は小鳥遊悠、面白い子よ」

しゅり「小鳥遊先輩……色々噂は聞いてます。」

りんね「まぁ、そうなの。やっぱり有名人ね、うふふ」

しゅり「(悪い噂とがりゅーさんの猛烈アタックとかだけど……)」

「あー、ちょっとちょっと」

りんね「はい?」

「もしかして富士見先生って自分さん?」

りんね「そうだけど君は?」

緋斗「あぁ、すんまへん。自分は二年の神原いうもんです。副担のひとが来たら案内しろっていわれてて」

りんね「まぁ、そうなの。じゃあ、瀬川さんはここまででいいわ。ありがとう」

しゅり「はい。じゃあ、失礼します」

緋斗「ほー、でかいねぇちゃんやな。」

りんね「あら、神原君もおおきいじゃない」

緋斗「ちゃいますてん。おっぱいのことですってE、F……いや、もしかしたらGぐらいあったんじゃないかな」

りんね「あそこまでは無いけど先生もDはあるわよ。それに色々すっごいのよ?」

緋斗「センセさん、なかなか冗談通じる人でええなあー。」

りんね「うふふ。若いちん……コホン、若い男のこと話してる私も元気になるのよ。ところで……変わったニュアンスね。私も知り合いに関西弁の人がいるけどちょっと違うような……地域的なものなの?」

緋斗「あぁ、自分はこれ我流なんですよ。喋ろうと思ったらこうやってちゃんとした話し方もできるんですけど……こっのほうがええ感じやん。あんまり気にせんといてんかー。」

りんね「そうなの。ええ、わかったわ。」

緋斗「ほんじゃま、ウチの教室から一名様ごあんなーい」
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