ー日常ー街の住人達【3】

ー池袋:摩天楼ー

拳二「ふー……雨か」

凍夜「あー、これはもう今日はお客来ないかな」

拳二「金借りに来る奴に奴に雨だの関係ないだろ」

凍夜「いやー、そうでもないですよ。酷い天気の日にくるお客はそうとう切羽詰まってることが多いですし。」

拳二「ここに来る奴はそりゃホントに切羽詰まってるだろ」

凍夜「いやー、仲には切羽詰まってるふりをしてるだけの人もいますけどね。そういうのを見分けるのも大変ですが」

拳二「俺ぁ、金貸してほしい奴には大抵貸すけどな」

凍夜「金利」

拳二「んー?何の話か分からんなぁ。」

凍夜「おー、怖い怖い」

拳二「怖くねぇよ。ちゃんと期限通りにはらやぁ……ほどほどだ。」

凍夜「それでもほどほどですか…。」

拳二「むしろ、ノー金利で貸してるお前の方がおかしいんだからな」

凍夜「ははっ、ですかねぇ」

詠子「ちゃんとしかも返済がこっちが回収しに行くんですから手間もおかしいですよね。」

凍夜「い、いや、それはさ、たまたまっていうか。ちゃんと払いに来てくれる人もいるし」

詠子「っていうか、借りてるかだから返しに来て当然ですから。」

拳二「確かに」

詠子「ですが、法定越えの金利は間違ってますから」

拳二「いやぁ、よくわかんねーわ」

凍夜「お金に細かいのカ雑なのか…」

拳二「俺ぁは細かくねぇよ。だが、仕事で仕方なく細かいことしてんだよ。」

詠子「仕方なく……どう思います?」

凍夜「下手なこと言うと目をつけられるからノーコメントで行こう」

拳二「聞こえてっけどな」

凍夜「あははは」

拳二「しっかし、雨降ったらまた冷えるな」

凍夜「確実に冬になってますからねぇ」

詠子「そうですね。」

拳二「まぁ、寒くなったらなったでいいこともおおいがな。」

凍夜「酒がおいしい?」

拳二「そういうことだ。」

凍夜「瓦谷さんの場合、不味いときがあるんですか?」

拳二「……」

凍夜「……」

詠子「……」

拳二「ねぇな!」

凍夜「はは、やっぱり」

拳二「でもまぁ、堅苦しい幹部会とかは多少不味くなるか」

凍夜「ああ、そういうのあるんですね。」

拳二「高い酒は飲めるんだが、それ以上に苦い話とか聞かされるからな」

詠子「へぇ…」

拳二「まぁ、俺ぁ大抵聞き流すがな。かっかっかっ!」

凍夜「怒られませんか?」

拳二「そんときはそん時だ」

詠子「ある意味達観している…」
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