ｰ居酒屋:三日月ｰ

拳二「最近はいい天気でもどことなく肌寒い気配があるな」

悠「寒いの怖い」

恵瑠「マフラーでも…」

悠「編めるのか?」

恵瑠「……買います!」

雲水「がははは!ある意味潔いじゃねぇか!!」

道玄「マフラーぐらい編めばいい」

悠「そういうおっさんは……編めるんだろうな。これまでの流れからだと」

道玄「出来ないこともない」

恵瑠「ええぇぇっ。」

凛「エルちゃん驚きすぎ」

悠「そうだぞ。このおっさんどもはチートなんだ」

道玄「ただし、出来るだけであって綺麗な一品とまではいかん」

雲水「がはははっ。ちなみにオレはできねーぜ。物は作るより壊すのが得意だ」

拳二「ああ、そりや分かる」

悠「それなら、道玄も同じだろ」

道玄「すまんが、そこの一升瓶をくれ」

恵瑠「え、あ、はい、どうぞ」

道玄「すまんな。」
ドンッ!
悠「掌!?」

道玄「ああ、すまん。そこに手があるとは気づかなかった」

悠「めちゃめちゃ正確に潰してますけど?!」

道玄「雲山」

悠「話を聞け……って、雲山?」

雲山「ここで有っていたようですね。」

雲水「おう、息子!」

恵瑠「息子?!え、息子を?!」

悠「DNAレベルで似てないけどしっかり息子だ」

凛「二人とも失礼よ」

雲水「がはははは!構わんさ!」

雲山「私も自負しています。」

凛「そうなんですか?眼なんてよく似ていると思うけど」

拳二「眼がにてるのは、お前さんと娘だろ」

道玄「そこまで似てはいないだろ」

悠「これでもかってぐらい似てるよ!似すぎてて怖いレベルだよ!」

道玄「ふん」
ゴンッ!
悠「今度は頭に当たってるんだが?」

道玄「狙ってやったからな。雲山、飲むだろう?」

雲山「ええ、せっかく何でいただきます。」

恵瑠「めちゃめちゃイケメンですね。」

凛「そうね。確かに二枚目ね。」

拳二「お前も親父と同じぐらい飲むのか?」

雲山「まさか、父のような飲み方をしたら身体を壊す。ほどほどにしか飲みませんよ」

道玄「懸命だ」

雲水「なぁに、男ならがーっと飲まねぇとダメだろ」

雲山「貴方のガーッとは桁が違うじゃないですか」

悠「桁が違うのはそこのゴリラもだけどな」

拳二「お前もそのうち胃潰瘍になれ」

悠「不吉なこと言うな」

雲水「なぁに、小僧は遅かれ早かれこっち側だ」

悠「いやだー!!」

凛「ふふっ、賑やかね」

恵瑠「賑やかすぎると思います…」