ー日常ー街の住人達【3】

ー池袋:宗方フルーツー

六花「やべぇ、寒っみぃー!」

鈴猫「力いっぱいだね…」

六花「いやー、何か一気に寒くなってないですかー?」

鈴猫「今日は11℃らしいけど」

六花「一桁一歩手前」

鈴猫「こうして冬になっていくんだね。」

六花「むしろ秋がありましたか?みたいなことになってるー」

鈴猫「ま、まぁ、でも暑かった夏にくらべれば、ね」

六花「前向きですねー」

鈴猫「前向きっていうのかな……」

想「すみません」

六花「はいー?」

想「こんにちは」

六花「あ、えーとえーと、おおおおかさん」

想「「お」が多いです」

鈴猫「逢岡さんね」

六花「そのひとだ。珍しいね、こんなところに来るなんてー」

鈴猫「吉音ちゃんと食べ歩きですか?」

想「いえ、今日は学園からの用事といいますか、使いで来ています」

六花「賢いオーラが半端ない」

鈴猫「本当に賢い人だしね」

想「そんなことありませんよ。私もまだまだ至らないところが多いですから」

六花「すくなくとも、あたしの知り合いに「至らない」なんて言葉を使えるやつはいない」

鈴猫「そこまででもない気がするとけど……。それより用事というのは?」

想「はい、お花の注文です」

鈴猫「花の……っていうことは」

六花「あたし?」

鈴猫「ああ、六「花」ちゃんね。」

想「素敵なお名前だとは思いますけど、そうではなくて植物の花の注文です」

六花「丁寧に諭された」

鈴猫「あはは……。っていうか、もしかしてうちですか?」

想「よろしければですけど」

六花「いいです」

鈴猫「はい、勝手に決めないでね。それで具体的には?」

想「はい、こちらにメモしているのでどうぞご確認ください」

鈴猫「じゃあ、失礼して……ふむ」

想「どうでしょうか?」

鈴猫「このぐらいなら大丈夫だと思いますけど、ここに書かれいてるものなら大江戸学園でも栽培できるんじゃないですか?」

想「大江戸学園は常夏とはいわなくても常春な島ですからね秋、冬にかけての花は島では手に入りにくいのです」

鈴猫「はぁ、なるほど」

想「いずれはどんな植物でも栽培できる施設か環境が整うはずでが」

六花「近未来的だ」

想「それでもやはり植物は土から生育していくべきじゃないかと私は思いますけどね」

鈴猫「それは何となくわかります。じゃあ、このメモは預かって母に相談して改めてご連絡する形でよろしいですか?」

想「大丈夫です。よろしくお願いします。」

六花「……」

鈴猫「ん?どうかした?」

六花「いや、そうしてると鈴猫さんも頭良さそうですよねー」

鈴猫「微妙に褒められてない気がする。」
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