ー日常ー街の住人達【3】

ー居酒屋:三日月ー

拳二「明日の気温は朝一けたらしいぞ」

悠「死ぬじゃん」

拳二「死にはしねぇよ」

悠「いやいや、死ぬし。死ぬし!!」

拳二「それだけ叫べる奴が死ぬかよ」

恵瑠「そーですよぉー。あ、じゃあ私が温めちゃいましょうか?」

悠「やっぱりこたつ出さないとだめだな」

恵瑠「ちょっとー!無視ですか!」

拳二「話聞いてやれよ」

悠「聞いてるよ。右耳から聞いて左耳で聞き流してるんだ」

拳二「……ふんふん」

悠「適当にうなずいてるだろ」

拳二「まぁな!」

悠「威張んな」

恵瑠「センパイこそちゃんと聞いてくださいよ!」

悠「だから聞いてるって言ってるだろ。キャベツが高いって話だろ?」

恵瑠「してなーい!」

凛「確かにキャベツは高騰してるけどね。」

拳二「へー、そうなのか」

悠「お前はバナナ以外興味ないもんな」

拳二「いうほどバナナにも興味ねぇよ。興味あるのは酒だ」

悠「おれは女」

恵瑠「私ですか?私ですね!」

悠「すいません、オデンください。大根と筋にく」

凛「はーい」

恵瑠「ちょ、またスルー!」

悠「いや、お前のノリが知り合いの問題児に似ててな」

恵瑠「さらに問題児とか言われるシィー」

拳二「悠に問題児とか言われたらつれーわな」

悠「おれなんて優良青年だし」

拳二「お前が優良なら、街中のゴロツキはたいてい善人になる。」

悠「それはない。おれが善人だ」

恵瑠「……」

拳二「後輩が引いてるぞ」

悠「なんでだよ!」

恵瑠「そんな、私が超いい人でも今のはフォローできないですよ」

悠「自分で自分のことをいい人という奴ほど胡散臭いものはない」

拳二「自分のことじゃね?」

悠「がるるっ!」

凛「はい、大根と筋にく。卵はオマケね。」

悠「女神はこんな近くにいた」

凛「もう、すぐにそうやって冗談ばっかり」

悠「三割冗談です」

恵瑠「七割本気ってことですか」

悠「Exactly」

恵瑠「七割下心ってことですねー」

悠「下心も持てないような男は男としてだめだ」

恵瑠「何この開き直り?!」

拳二「そういう奴だ」

恵瑠「素敵ですね。」

拳二「なかなか強かだな、おい」

恵瑠「ふふん、そーでないとアイドルなんてやってけませんよぉー」

拳二「俺ぁ、そっち関係には疎い。そういうもんなのか?」

悠「そりゃ強かでなかったらCDに○○券をランダムに着けて販売しないだろ」

拳二「ふむ、なるほどな」

恵瑠「その認め方は嫌」
85/100ページ
スキ