ｰ小鳥遊邸:大広間ｰ

ゆうな「黒奈、腹枕して」

黒奈「膝枕?」

ゆうな「腹枕」

黒奈「するかっ!」

白奈「膝ならしてたの?」

黒奈「考えてはやった」

ゆえ「ひゅーひゅー……」

黒奈「やめい」

後楽「よう、お嬢ちゃんたち、仲よくしてるか?」

ゆうな「ラヴラヴしてます」

黒奈「やめい」

後楽「おじさんは男女の恋愛を勧めるけどなぁ。まぁ、そういうのもありだと思う。」

黒奈「なんだこのおっさん」

ゆうな「ただの駄目おやぢだよ」

後楽「はっはっは、手厳しいねぇ」

白奈「まるで効いてない」

ゆえ「あるいみさいきょうだから……」

ゆうな「おぢさんこそ何してるの?」

後楽「ああ、そりゃ。何でもないよ」
チラッ

ゆえ「どこかでみたことあるちぇーんがみえる……」

ゆうな「あ、ホントだ。お父さんの財布のチェーンとそっくりのチェーン」

後楽「……気のせいじゃない?」

黒奈「明らかに盗ってきたな」

白奈「泥棒」

後楽「借りてるだけ、借りてるだけだよ」

ゆうな「そのうちお父さんに本気で殺されるよ?この前ネットサイトで狸の捌き方調べてたし」

後楽「嬢ちゃん、それは止めてくれたんだよな?」

ゆうな「ううん。怖かったから、ドア閉めたよ」

ゆえ「ほんきのめだった……」

後楽「……」

黒奈「なかなかバイオレンスだな」

白奈「狸に食って美味しいのかな?」

恋「ジューシーでしっかりした旨味のある肉で、ほんの少し独特の香りはあるけれど臭いというものではないぞ」

ゆうな「さすが恋ちゃん、年の功」

恋「誰が年よりか!」

ゆえ「じゅる……」

後楽「今の話を聞いて涎をくるのはやめてくれないかな」

ゆうな「それでもおぢさんはその財布を持って出かけますか?」

後楽「え、でかけるけど」

黒奈「わぁ、絵にかいたような最低だ」

白奈「むしろ清々しい」

恋「阿保じゃろ」

後楽「それじゃあいってくるぜ!なぁに、倍にして返せばいいんだ!」

楓子「……」
チャキッ
ひたっ…
後楽「おや……首筋に冷たいものが……」

楓子「後楽殿、すこし道場の方に……面貸してくださいやよ。」

後楽「おぢさん、今から出かけようと……」

楓子「私、料理は簡単なものしか出来ませんが、肉を捌いたり、皮を剥ぐのは得意なんですよやよ。」

後楽「ちょっとついていこうかな」

黒奈「……ゆうなの家は毎日がイベントだらけだな」

ゆうな「楽しく騒がしい我が家」

恋「少々騒がしすぎるがの」