ー日常ー街の住人達【3】

ー池袋:和龍軒ー

紅「なーんかジメってね?」

千夜「……」

紅「雨が続くと、こう……おさげの先がしっとりして顔に張り付くんだよな」

千夜「…………」

紅「それとバット入れるとき背中が冷やってする」

千夜「…………なんで居る?」

紅「お客だけど?」

千夜「なら、とっとと食って出てけ」

紅「そんな回転率だけ求める酷い店じゃないじゃんココ」

千夜「だからって客とくっちゃべってていいわけでもねぇよ!」

紅「……でも、他にお客居ないからいいんじゃね?」

千夜「……でも、食い終わってるだろ」

紅「それじゃあ、餃子追加で」

千夜「ちっ」

紅「舌打ちは酷いなぁ」

デイジー「失礼しますわ!」
バーン!

千夜「……」

紅「……」

デイジー「ほっーほっほ。この素敵なポーズに釘付けですわね。」

千夜「…………」

紅「千夜ちゃんの師匠はユニークだな」

千夜「やめろ。……やめろ!」

紅「すまん、今のは俺が悪かった」

デイジー「これはジョジョ立ちというとてもCool!っな、pauseですわ!!」

千夜「知らねーし聞いてねぇ…」

紅「ジョジョって悠の好きな漫画だよな。ドギューンとか」

デイジー「ズギューンですわ!「ズ」ギューン!」

紅「ああ、すまんな。詳しくなくて」

デイジー「まぁ、紅様。それはもったいないですわ。ワタクシも二日前に読んだばかりですが……ジョジョはBibleですわ!」

千夜「二日ってにわかもいいところだろ。」

デイジー「失礼ですわね。ワタクシを誰だとおもっているのです!天才と美貌という天が二物を与えた……」

紅「すげぇ饒舌だよな

千夜「こいつ喋ってないと死ぬんだと思う」

デイジー「スペシャルミステリアス超絶ガール、デイジーよ?」

紅「あ、やっと名前出てきた」

デイジー「ちゃんと荒木先生の画集から小説やらちゃんと買って読んで勉強しましたわよ!第三部までならちゃんと丸暗記もしましたわ!」

千夜「……」

紅「マジで?」

デイジー「もちろんですわ」

紅「じゃあ、CFHSってなんだ?」

デイジー「ほーっほほ、簡単すぎですわ。C(クロス)F(ファイヤー)H(ハリケーン)・S(スペシャル)のことですわ!」

紅「おー」

千夜「正解なのか?」

紅「いや、わかんね。なんか前に悠がいってたのをうろ覚えに言っただけだし」

千夜「分からないのに聞くな!」

紅「んで、デイジーの子猫ちゃんは何しに来たんだ?」

デイジー「ああ、このお店に素晴らしいものを贈りに来たんですわ」

千夜「あ?」

デイジー「ジョジョのコミック今のところの全巻ですわ」

千夜「持って帰れ。」

デイジー「ちゃんと自分用は買ってありますわ。これは布教用ですわ。ちゃんとこれ専用の本棚も準備してきましたわよ。ほら、そこのスペースぴったりとハマるサイズですわ。」

千夜「うちの店を私物化すんな!」

紅「金持ちのやることぱねぇ(怖ぇ)」
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