ー日常ー街の住人達【3】

ー小鳥遊家:大広間ー

悠「団子からはじまり、おはぎ、わらびもち、クズくり、くずもち、水ようかんetc……全部食いやがった」

天魔「ふー……」

大天狗「見ているこっちの胃が痛くなる」

揺光【という主もしっかり食ってるようじゃがな】

大天狗「……毒見です」

悠「毒くらいでどうにかなるのか?」

揺光【妾なら摂取した毒を体内で変質して吐きだせるが?】

悠「ポイズンブレス…」

駒狸「お茶のおかわり淹れましょうか?」

天魔「うむ、とびっきり濃ぉぉぉぉいのを頼むぞ」

大天狗「もう茶葉だけ出してくれていいぞ」

駒狸「ふふっ、ちゃんと淹れてきますよ」

大天狗「やはりあの娘、欲しい」

悠「違う狸ならあげるよ」

大天狗「狸が他にいるのか?」

悠「後楽っていう……」

天魔「……」
ブァサッ!
バリンッ!!

悠「……めっちゃ羽が開いて皿が真っ二つになったんですが」

天魔「後楽……?あの腐れ狸の?ん?」
ガタガタガタガタ!

悠「あー、これは何かやってるパターンか…」

揺光【妾もそれは知らんかった。とりあえず、落ち着け天魔の。風が吹き荒れて来とる】

天魔「おのれぇぇ!」

悠「……ほい、団子!」
ポイっ
天魔「はむっ!」

悠「セーフ」

大天狗「既に扱い会得したな」

悠「なんとなくな……。ところで、後楽は何した?」
ポイっ
天魔「はむっ!」

大天狗「……奴がやりそうなことを想像してもらったらいい。それを大抵やったということだ」

悠「あー、うん。なんかスマン」
ポイっ
天魔「あむっ!」

大天狗「ここにいるなら血祭りにあげたいのだが?」

悠「今日に限っていない」
ポイっ
天魔「あーむふんっ!」

揺光【天狗というか子犬じゃな】

天魔「むぐむぐ……美味い!」

大天狗「恥ずかしいのでやめてくださいますか?天魔さま」

天魔「ただの戯れじゃ」

悠「ふーん。ほれ」
ポイっ
天魔「ぱくっ!」

大天狗「……」

揺光【なんでアレが天狗界の重鎮なのか、わからんな】

大天狗「やるときはやるんです。やるときしかやらない人ですけど……。」

天魔「おい、悠」

悠「だから、悠だ。……あ、呼んでるのか。なんだ?」

天魔「態度や敬いは少々あれだが、なかなか気にいった!」

悠「そりゃどうも」

揺光【完全な餌付けじゃがな】

天魔「今度、儂の山に遊びに来い。もてなしてやる!」

大天狗「ほいほい人間を招かないでください。色々と問題になります」

天魔「儂の山は儂が掟じゃろ!」

悠「大分、ワンマンだな…」
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