ー日常ー街の住人達
ー小型クルーザー:運転席ー
拳二「よし、頼んだぞ」
愛「……」
拳二「どうした?」
愛「あれ、おかしいな…」
拳二「力足りないんじゃないか?」
愛「う…うーん……!」
一陣の風が吹いた。しかし、クルーザーはぴくりとも動かずに何故か愛が小さく浮遊している。
拳二「おいおい、何も起きないぞー?」
愛「何か…上手く船を動かすイメージが…」
船酔いしているせいで力をコントロール出来ないのか愛自身の周りに風が吹いたり、バチバチと放電が発動している。
拳二「おいおい、ヤバいんじゃねーかコレ!?」
辰樹「どうかしましたか?」
拳二「あー、いや、すぐに動かしやす!!……仕方ねぇ!」
愛「ん?」
拳二は愛の頭を鷲掴むとそのままクルーザーの床に押し付けた。
拳二「コイツだ!今触れてるこいつを動かすんだー!!」
愛「あわわ……!」
ぐりぐりと押さえつけるその姿はもし誰かに見られでもしたら虐待そのものだが直接、力が船に伝わったことでクルーザーは急発進した。
拳二「うおっ!?」
上組員「おい!何いきなりスピード出してんだ!」
拳二「いや、はははは、愛が運転したいっていいだして!(スマン)」
上組員「ったく」
拳二「落ち着けもう少し普通に走ってる感じで!」
愛「ううんっ……」
目を閉じてグッタリして操縦席に座る愛だがクルーザーは大きく曲がり始める。
拳二「ああ、そっちじゃない…」
愛「う……うう」
拳二「くっ……!前を見ろ!」
愛の頭を両手で抑えつけて無理矢理目を開かせる。
愛「あばば……」
拳二「見てる方向に進め!」
愛「あ……あっ」
拳二「こっちだ!愛!頑張れ!港は見えた!すぐそこだ!愛?」
愛「……」
その小さな身体はガクッと倒れて動かなくなった。
拳二「力……尽きおった……くそっ!あともう少しだってぇのに……」
愛「……」
いや……愛は文句言わず最後まで頑張ってくれた。それにまだ希望は残されている……。出来ればヤツの力は借りたくなかったが……こうなったら仕方ねぇ……頑張れ、かんせー(慣性)の法則っ!!
のろのろとした波取りでクルーザーはピタッと船着き場で停止しした。
拳二「きせきおきたぁぁぁっ!!」
辰樹「……今日の拳二はなんかテンションが高いですね。」
組員「魚めっちゃ釣れたからじゃないっすか?」
上組員「確かに大漁だったなぁ。帰ったらみんなに分けましょうや」
拳二「ふぅ……なんとかなったか助かったぜ、愛」
動けないだろうと拳二は雛を背負った。その瞬間……
愛「うえええぇ……」
ー拳二のマンションー
その日の夕飯は釣った魚のほかたっぷりのウニを使った丼をわざわざ板前に調理させた豪華なものだった。
拳二「どうだ愛、ごちそう用意したぞ」
愛「う…うん」
拳二「今日は本当にありがとうな。お前がいて良かった」
愛「え……と、その実はあの船……」
拳二「どうした?」
そういう笑顔は本当にあの瓦谷拳二か?と思うほどの表情。
愛「え……ええ…と、もし瓦谷が困ったことあったらいつでもいってね」
拳二「なんてこったい。俺ぁいままでお前のことを性質の悪い不良債権みたいなもんだと思ってたのに……すまねぇ」
愛「……そんなふうに……」
拳二「さぁ、ガンガン喰ってくれ。刺身もウニも足りなきゃドンドン持ってこさせるからなぁ!」
愛「お、美味しいけど……なんか複雑な味がする……」
なお、後日クルーザーが沈没していると多額の請求書が届くことになった。
拳二「よし、頼んだぞ」
愛「……」
拳二「どうした?」
愛「あれ、おかしいな…」
拳二「力足りないんじゃないか?」
愛「う…うーん……!」
一陣の風が吹いた。しかし、クルーザーはぴくりとも動かずに何故か愛が小さく浮遊している。
拳二「おいおい、何も起きないぞー?」
愛「何か…上手く船を動かすイメージが…」
船酔いしているせいで力をコントロール出来ないのか愛自身の周りに風が吹いたり、バチバチと放電が発動している。
拳二「おいおい、ヤバいんじゃねーかコレ!?」
辰樹「どうかしましたか?」
拳二「あー、いや、すぐに動かしやす!!……仕方ねぇ!」
愛「ん?」
拳二は愛の頭を鷲掴むとそのままクルーザーの床に押し付けた。
拳二「コイツだ!今触れてるこいつを動かすんだー!!」
愛「あわわ……!」
ぐりぐりと押さえつけるその姿はもし誰かに見られでもしたら虐待そのものだが直接、力が船に伝わったことでクルーザーは急発進した。
拳二「うおっ!?」
上組員「おい!何いきなりスピード出してんだ!」
拳二「いや、はははは、愛が運転したいっていいだして!(スマン)」
上組員「ったく」
拳二「落ち着けもう少し普通に走ってる感じで!」
愛「ううんっ……」
目を閉じてグッタリして操縦席に座る愛だがクルーザーは大きく曲がり始める。
拳二「ああ、そっちじゃない…」
愛「う……うう」
拳二「くっ……!前を見ろ!」
愛の頭を両手で抑えつけて無理矢理目を開かせる。
愛「あばば……」
拳二「見てる方向に進め!」
愛「あ……あっ」
拳二「こっちだ!愛!頑張れ!港は見えた!すぐそこだ!愛?」
愛「……」
その小さな身体はガクッと倒れて動かなくなった。
拳二「力……尽きおった……くそっ!あともう少しだってぇのに……」
愛「……」
いや……愛は文句言わず最後まで頑張ってくれた。それにまだ希望は残されている……。出来ればヤツの力は借りたくなかったが……こうなったら仕方ねぇ……頑張れ、かんせー(慣性)の法則っ!!
のろのろとした波取りでクルーザーはピタッと船着き場で停止しした。
拳二「きせきおきたぁぁぁっ!!」
辰樹「……今日の拳二はなんかテンションが高いですね。」
組員「魚めっちゃ釣れたからじゃないっすか?」
上組員「確かに大漁だったなぁ。帰ったらみんなに分けましょうや」
拳二「ふぅ……なんとかなったか助かったぜ、愛」
動けないだろうと拳二は雛を背負った。その瞬間……
愛「うえええぇ……」
ー拳二のマンションー
その日の夕飯は釣った魚のほかたっぷりのウニを使った丼をわざわざ板前に調理させた豪華なものだった。
拳二「どうだ愛、ごちそう用意したぞ」
愛「う…うん」
拳二「今日は本当にありがとうな。お前がいて良かった」
愛「え……と、その実はあの船……」
拳二「どうした?」
そういう笑顔は本当にあの瓦谷拳二か?と思うほどの表情。
愛「え……ええ…と、もし瓦谷が困ったことあったらいつでもいってね」
拳二「なんてこったい。俺ぁいままでお前のことを性質の悪い不良債権みたいなもんだと思ってたのに……すまねぇ」
愛「……そんなふうに……」
拳二「さぁ、ガンガン喰ってくれ。刺身もウニも足りなきゃドンドン持ってこさせるからなぁ!」
愛「お、美味しいけど……なんか複雑な味がする……」
なお、後日クルーザーが沈没していると多額の請求書が届くことになった。